インターンシッププログラム 2023
1階テナント空間の活用提案
「100年先を見据えた街づくり」
生和コーポレーションでは、8月後半から10日間のインターンシップを実施しました。後半の5日間に行われたコンペ形式のグループワークでは、学生たちは4チームにわかれ、SDGsにも配慮しながら、神保町に建築中の賃貸マンションの1階に入るテナントづくりに取り組みました。
仕事のスケジューリングや納期などを意図した様々な条件の中で、コンセプト考案、業態設定、間取り・デザイン制作など、実際の仕事を想定したワークショップを体験。最終日のプレゼンテーションには、千代田区環境まちづくり部の方をお招きし、5日間の成果を見ていただきました。学校で学んでいる専門知識やスキルを活用しながら、チームワークのコミュニケーションの大切さを知り、プレゼンテーション力や課題解決力などを学び取った充実のインターンシップとなりました。
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満足度が高いポイント! 成長支援の充実
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インターンシップで学べる「力」
成長を促す行動サイクル
インターンシップでは、常に自分と向き合い、新しい気付きや課題を発見するために、「目標設定」「振り返り」「先輩社員からのフィードバック」を実施。就職活動はもちろん、仕事で活躍する上で不可欠な素養やスキルを身につけていきます。
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参加した学生の声
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チームワークの醍醐味を実感
1人で作業することの多い学校と違い、様々な意見や考えを出し合い、協力しながら1つのものを作り上げるチームワークの難しさと醍醐味を実感。とても貴重な体験ができた
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自分の成長につながった
プロの建築家を前に発表するという、普段の大学ではできない経験のおかげで自信がついた。社員の方が細かいところまで見てくださり、フィードバックいただいたことがとても参考になった。
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将来の道を探すきっかけに
将来に対して漠然と不安があったが、このインターンシップをきっかけに、就職活動に向けた方向性を掴むことができた。様々な立場の方から評価を受けられたことも良い
経験になった。
また、インターンシップを終えた学生からお手紙をいただきました!ありがとうございます。
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課題内容
・神保町に建築中の賃貸マンションの1階テナント空間の活用提案
・周辺環境に合わせて、テナント空間のコンセプト(事業内容・外装・内装・間取り・
インテリアなど)を考え、提案する
・テナント空間の名称を提案する
・SDGs、千代田区の活性化にも配慮する提出物
●コンセプトシート
エリアマーケティングやターゲット分析を元に、コンセプトや間取りを決め、資料にまとめる。●1階テナント空間 提案プレゼン資料
考えたコンセプトに基づき、間取りや設備、インテリアのイメージを表現する模型やパース図を制作する。 -
インターンシップの流れ
DAY 1
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1.エリアマーケティング
チームごとに物件の周りを歩き、周辺環境や立地条件などを調査しました。神保町という街の歴史や雰囲気など、様々な視点でエリアの特性をつかみ、テナントの業態やデザインイメージを膨らませていきます。
DAY 2&3
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2.ターゲットの設定
実際に現場を歩き、目で見て感じた人の流れや特性を踏まえ、チームごとにターゲットを想定。年齢層や家族構成、ライフスタイルなど細かく設定していきます。
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3.コンセプトの考案
テナントづくりの軸となるのがコンセプト。現地調査を基に、ターゲットや業態、地域との調和、社会への貢献など、様々な角度からチーム内でアイデアを出し合い、議論しながらコンセプトを練り上げていきます。
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4.レイアウト作成
コンセプトを具現化する店舗デザインを細かく決めていきます。間取り、動線、壁材や床の色、インテリアなど、テナントのトータルデザインを考え、図面に落とし込みます。
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5.プレゼン資料作成
まとめたコンセプトシートをもとに、発表用のスライド資料や3Dパースなどを作成。どんな言葉が伝わるか、どのような見せ方が効果的かなど、試行錯誤しながらまとめていきます。
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6.イメージ模型作成
アイデアやデザインをより具体的にイメージできるよう、床や天井、家具、設備など細かい部分まで模型を作成。各チームのこだわりと個性が詰まった模型が仕上がっていきます。
DAY 4
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7.プレゼンリハーサル
実際のプレゼンを想定したリハーサルを実施。資料の見映え、話し方や時間配分などについてアドバイスを受け、本番に向けてブラッシュアップしていきます。
DAY 5
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8.プレゼンテーション
生和の役員やクリエイティブディレクター、坂倉建築研究所の建築家を審査員に、プレゼンテーションを行いました。10分間の持ち時間をフルに活かし、チーム一丸となって作り上げた成果を発表。それぞれがこだわり抜いたアイデアや工夫が随所に見られ、プレゼン方法にもチームの個性が際立ちました。
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最優秀賞発表&講評
最優秀賞・コンセプト賞:Team A
「個性豊かな地域に交わりを生む」
「CYCLE=まわす」をキーワードに、多様な人々の交わりを生み出す拠点を提案した。レベル差を設けた曲線的なゾーニングの中に、「コインランドリー」、古書・古着・楽器などの「リサイクル」、「レンタルサイクル」の3種の業態を展開。地域特性をPRしながら、他にない個性あふれるテナントを目指した。
坂倉賞:Team B
「Book Café × Nature 〜森食〜」
古書街という地域特性と緑化の実現を軸に、自然をふんだんに取り入れた癒しと憩いの場をコンセプトに設定。木の幹に見立てた柱を本棚とし、自然の道の凹凸を表現した床のレベル差、植栽で覆われた天井、木洩れ日のような間接照明などにより、あたかも森の中にいるような空間を創出した。
- 講評
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緑とブックカフェという神保町ならではのコンセプトで、木や緑の使い方もとても工夫されており、他との差別化にもつながると感じた。本離れが進んでいる中で、広いターゲットに向けた本のセレクトや、興味を引くメニューの考案など、足を運ぶきっかけになる提案まで落とし込めていた点がよかった。
- 学生の感想
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既存の柱を活用しながら、いかに森のようなイメージを創るかに重点を置きました。また、興味を持ってもらえるメニューやネーミングに力を入れていたので、評価をいただけて嬉しかったです。1つのものを作り上げるために、仲間と共有し、アイデアを出し合えたことはとてもよい経験になりました。
プランニング賞:Team C
「対」
昼・夜という“対”になる時間軸を設定し、それぞれのターゲットやライフスタイルなどに合わせた二毛作ビジネスを考案。外からの視線を遮る掘り下げゾーンを設け、子どもの安全と、大人のくつろぎという2つの役割を持たせながら、多様な人がつながる新しいコミュニティの場を目指した。
- 講評
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「対」と「ついつい行ってみたくなる」のWミーニングと、アンダーデッキとカウンターを明確に分けたゾーニングが秀逸。プレゼンや模型もとてもわかりやすく、昼も夜も活用できる現実的なプランニングだった。壁や床の素材や色などを工夫し、ゾーニングに性格付けができているとさらによかった。
- 学生の感想
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アンダーデッキというアイデアに、ターゲットに合わせた用途や、安全やリラックスという付加価値を盛り込むためにかなり議論しました。建物を建てる時、コンセプトと建築をどうつなげるかを学べたことが大きな収穫。また、他大学の人との交流で自分にはない知識を得ることができました。
アイデア賞:Team D
「未来の生態系を守る卵たちに植物園で緑の大切さを」
ファミリー層をメインターゲットに設定し、自然を身近に感じながら充実した親子の時間を過ごせる、植物園とアクアリウムを融合したカフェを考案。メインの入口側の壁全面に設けた窓からの採光、水槽と植物を配した本棚など、自然と人との融和を考えた空間を創出し、そこから生まれる地域貢献を目指した。
- 講評
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植物園とアクアリウムというアイデアがとても魅力的な、良いコンセプトだった。模型とプレゼン資料がすばらしく、どこをどう工夫したかがとてもわかりやすかったのも大きなポイント。こうしたテナントは運営が大切なので、水やりやメンテナンス、居住者を巻き込むアイデアなどがあるとより良いものになると思う。
- 学生の感想
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子育て、医療、緑化など社会貢献という点にこだわり、アイデアに落としこんでいきました。みんなの考えを集約するのに苦労しましたが、作業は担当を決め、効率良く進めることができました。学校では単独作業が多いので、チームワークの良さと大変さを体験できたことがよかったです。
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千代田区環境まちづくり部による講評
地域の課題を共有することが街づくりに不可欠
千代田区は学校が多いですが、普段は私たちと学生さんとの交流が少なく、今回のプレゼンテーションを見られたことはとてもよい機会となりました。どの発表も、街の課題やターゲット、環境などがよく考えられていたと思います。街づくりには、住み心地や地元の活性化、さらに賃料の向上につながる「地域ブランディング」が不可欠。そのためには、地域の課題を共有することがとても大切です。今後、建築や街づくりの分野で活躍される時、これらを念頭に置きながら仕事に活かしてほしいと思います。
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人事部担当者コメント
学校にはない体験と協働で、未来を生き抜く力を醸成
インターンシップへの参加が当たり前になった昨今、多くの学生が本プログラムに応募してくださったことに感謝申し上げます。今回、千代田区環境まちづくり部の方々をお招きし、「産官学一体」のプログラムを行うことができました。顧客の課題解決だけでなく、その先の持続可能な社会を作るためにどうすべきかを考える機会になりました。また、仕事のやりがいを自ら導き出すきっかけになったのではないでしょうか。
今年は2つのメッセージを意識しました。1つは、コロナ禍で人と協力する機会が少なかった学生が増えたことから「共生」の大切さを、もう1つは「正しい問いを立てる力」を養うということです。AIが答えを出してくれる時代ですが、問い方次第で結果が変わってしまうこともあります。これから活躍する人財に不可欠なのは、日頃からより高度な問いを立てられること。今回、一足早く社会人体験をした中で、そうしたメッセージを受け取り、今後に生かすことができれば企画として成功だと考えています。どの学生も最後まで声を掛け合い、何度も悩みぬく姿勢が印象的でした。インターンシップを通して、社会人として生き抜いていく気持ちと力を醸成できたのではないかと感じています。
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エリアの4つの特性を上手に取り入れたコンセプトが良く考えられていた。小上がりやゾーニングなども工夫され、いろいろな人を呼び込める夢のあるテナントに仕上がっていた。レンタルサイクルとランドリーがあるので、シャワーブースを設置するなどもう一歩掘り下げるとさらにおもしろいと思った。
「CYCLE」というコンセプトから、3つの要素に落とし込む際の裏付けもしっかりできたことが評価につながったと思います。いろんなアイデアからどんなテナントにするのか絞り込むまでが大変でしたが、チームで話し合い、協力し合うことは社会人として不可欠。それが体験できた良い機会でした。