アパートやマンションを購入して賃貸し、成功すれば家賃収入によって、安定した収益が得られます。しかし、それは情勢が安定している時の話で、突発的な地震や火事などによる災害で建物が被害を受け、予期せぬ出費に備えていなかったばかりに、収益どころかマイナスになってしまう可能性もあります。
そのような万一のリスクを軽減するためにも、保険の重要性や種類について紹介します。
アパート経営・マンション経営においての保険の重要性
地震や台風、火災などの災害によって建物に被害を受ける可能性は、どのアパートやマンションにも存在します。1部屋からの火災でも修繕費は多額になり、もし、アパート全体が使用不可能になって1棟丸ごと建替える場合は、費用は大きく膨れあがります。また、設備の老朽化により、大雨による水漏れなどで入居者の家財を損なった場合は、オーナー（大家）側に損害賠償の責任が発生します。そのような出費に備えていないと、突然の支払いによってキャッシュフローは圧迫され、経営破綻のリスクは高まってしまいます。近年では地震だけではなく、ゲリラ豪雨や竜巻などの自然災害のニュースも多くなっています。 さまざまなリスクに備えるために、保険に入ることは非常に重要です。
オーナー様向けの保険
では、オーナー様がかけるべき保険はどのようなものがあるのでしょうか？
対象となるのは、建物に対する損害保険で、火災保険・地震保険・施設賠償責任保険があげられます。
・火災保険
文字の通り火事に対する保険となりますが、火事だけを対象にすることはほとんどありません。保険会社の商品によって内容は異なりますが、基本である火事に対する損害への補償にプラスして、落雷や雪災・風災などの災害被害への対応、盗難などの犯罪被害のほか、爆発、水漏れ、飛来、破損、汚染なども補償対象となります。
・地震保険
地震による建物被害に対して適用されます。壁のひび割れなどの破損や1棟丸ごと倒壊などの被害に対して支払われ、一般的な保険商品で、居住用建物5000万円、家財1000万円の補償額となっています（火災保険の補償額の30%～50%）。
・施設賠償責任保険
他人の所有物を壊す対物事故を起こしたり、他人にケガをさせてしまう対人事故を起こしたりと、施設（建物）に原因がある事故を対象とします。水道管の老朽化による水漏れでパソコンが壊れた、ガス管の不具合によるガス爆発で入居者や近隣の住民に被害を与えた、というようなケースに適用されます。
入居者様向けの保険
オーナー様は建物に対する保険に加入しますが、入居者様側は自分の財産を守ったり、過失を起こしてしまった場合にオーナーなどに支払うために、保険に加入する必要があります。
・借家人賠償責任保険
火災保険の補償に含まれる事の多い保険です。賃貸のアパートやマンションの入居者様が失火を起こしてしまった場合、重大な過失がなければ、隣人などに損害賠償を支払う責任は発生しません。しかし、オーナー様に対しては借りた部屋を元通りに回復して返還する義務「原状回復義務」の不履行により、損害賠償責任を負います。火災だけではなく、破壊や爆発、漏水などを補償範囲に含む保険もあります。
・個人賠償責任保険
日常での事故で他人にケガをさせてしまった・他人のものを壊してしまったなど、損害賠償責任を負った場合に損害賠償金などが補償されます。借家人賠償責任保険はオーナー様（家主）に対して支払う保険であるのに対し、個人賠償責任保険は隣人などの個人が対象です。うっかり水を出しっ放しにして外出し、階下の住人の電化製品などを水浸しにして壊してしまった場合などに適用されます。
以上がアパート経営・マンション経営に関わる保険についての説明になります。
アパート経営・マンション経営での損害・被害に対する金銭的な補償の金額は高額になりやすいので、保険の加入をおすすめします。