



妻の父が銭湯をしていて、私は結婚してその事業を継ぎました。銭湯が近所に4、5軒もある地域で、それだけ人口も多く需要もありました。しかし、平成10 年くらいからまわりの住宅に内風呂が増えてきて、お客様が減少。車で遠方から来られるお客様もあったのですが、駐車場がないこともあって来られなくなる。そんなことが重なりました。
そうこうしているうちに重油の価格高騰とか、設備機器の補修とか、次々と問題が起こりましてね。
かといって、スーパー銭湯みたいな新しい事業をするには、場所も中途半端だし、資金もない。
それにお客様が必ず増えるとは限りませんし、集める自信もなかったですね。
もちろん、知らないことに手出しをしようなんていうことは全く浮かびませんでした。だから、いつまでいけるかと不安に思いながら、たとえ1日に2、3人しかお客様がなくても、このまま銭湯をやれるだけやるしかないと思っていたのです。先行きがとても不安でした。そんな時に生和コーポレーションの喜多さんから、賃貸マンションの話を聞いたのです。


喜多さんに賃貸マンション経営を提案された時、頭に浮かんだのは他に所有している土地のことでした。
銭湯をやめる、ということはほんの少しも考えていなかったからです。
でも、その土地では小さな規模の事業しかできず、採算がとれませんでした。
それなら、銭湯をやめてここでやるか、と。そういうこともできると、そこで初めて気がついたんですよ。
建替えによるマンション事業をすすめるDMをもらったこともあるので、知識はあったのですが、自分のこととして考えたことはありませんでした。
でも検討するなら、まず、銭湯をやめるということを妻の父に話さないといけない。父が始めた事業です。きっと大反対されるだろう。私もせっかく譲り受けた事業を、私の代でやめてしまうのは忍びない。
やれるところまでやろうと思っていたのも、そんな気持ちの現れでもあったように思います。いつ話そうか悩みましたよ。それで母にそっと相談して、ちょっと聞いてもらったのです。
そしたら、それほどでもないようだとわかって、覚悟を決めて話をしたら、「ここへ帰って来られるなら、銭湯をやめてもいいよ」と。正直、拍子抜けしました。

決断はしたものの、まずこのエリアは賃貸マンションが多いのでやっていけるのかと思いました。お風呂のお客様にも、「10年がメド。それ以後、入居者は絶対減少する。」と言われることもあり、かなり悩みました。喜多さんには一括借上げのことを何度もていねいに説明してもらいました。家賃保証のこと、入居者募集のこと、マンションの管理のこと、そして毎年の収入がどのくらいになるのか、将来のことも踏まえて生和さんに相談し、何度も話し合いました。
長期的な事業計画の内容や企業の信頼性など総合的に判断し、生和さんと共に事業転換しようと思ったのです。
変に自分たちで何かするよりいいだろうと思ったのです。事業計画に沿って、最大限に効率のよい建物の規模や配置、駐車場の適切な面積など、専門的アドバイスもたくさんもらいました。だから、きっとなんとかしてくれる、という信頼がありましたね。この信頼がなければ事業をすすめていなかったと思います。



工事が始まってからはよく見にいきました。最初は囲いがあって見えない。
それで夕方工事が終わる頃に行って中を見せてもらったりしました。早く完成してほしいと思っていましたね。一括借上げの満室保証でしたが、満室になるかどうかの不安、入居者がどんな人たちなのか、いろいろ心配はしましたが、生和さんにはよくやっていただいたと思っています。
今は満室で順調です。入居者はみんないい方でホッとしています。私たちは一階に住んでいますが、管理は全て生和さんにお任せしております。それでも入居者の方から挨拶されたり、オーナーさんと呼ばれたりして、その実感がわいてきているところです。

