遊休地にかかる税金とは?固定資産税を抑えるための活用方法や対策

土地を所有しつつも活用法が見つけられず、毎年税金ばかりかかってしまうことに頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。

遊休地であっても、土地を資産として大切に持ち続けたいと考えるのは当然のことでしょう。

しかし、遊休地は固定資産税や都市計画税がかかるばかりか、維持や管理にも手間やお金がかかり、所有する土地オーナー様にとって大きな負担となってしまいます。

今回は遊休地にかかる税金について、管理や手間のリスクも踏まえてわかりやすく解説します。後半には、遊休地の維持費を抑えるための具体的な活用方法もお伝えするので、土地活用の参考にしてみてください。

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遊休地とは?

遊休地とは、長年利用されていない土地を指します。土地は住宅や農地、駐車場などさまざまな用途に使用できますが、なかには空き地のまま放置されている土地も多く存在するのです。

土地オーナー様のなかには、相続や贈与により土地を取得した方もいるでしょう。すでに宅地や駐車場など、何かしらの用途に使われている土地であれば、相続後の活用法に悩むことも少ないかもしれません。

しかし、取得した土地が空き地、つまり遊休地である場合は、土地の適切な活用法を考える必要が出てきます。

土地の周囲の環境や広さによっては、活用法を見つけるのが難しいこともあります。実際に国土交通省の調査によると、平成25年時点で国内において、世帯が所有する土地のうち、評価額で換算すると3兆円を超える空き地があることがわかりました。

つまり、本来価値のある土地であるにもかかわらず、遊休地として手つかずになっている土地が多く存在するのです。

なお、今回取り上げる「遊休地」と混同しやすいものに、「遊休土地」があります。遊休土地は、取得から2年以上利用されていないなどの理由から、都道府県知事が利用促進を必要と認めた土地を指します。

都道府県から遊休土地と認められた場合は、早急に土地の利用もしくは処分を計画し、実行しなければなりません。

このように、遊休地と遊休土地では意味合いが異なることを知っておきましょう。

遊休地は固定資産税がかかる

土地を活用するもしないも、基本的には土地オーナー様が自由に決められます。しかし、遊休地を所有しているだけでも、固定資産税や都市計画税などの税金は毎年かかってしまいます。

土地を所有しているだけで毎年税金がかかる

土地を使用しているかどうかに関わらず、土地の所有者には、毎年固定資産税や都市計画税を支払う義務が発生します。

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋を所有している方に対して、自治体から課される税金です。都市計画税は、都市計画法による市街化区域に指定された範囲に所在する土地や家屋に対して、固定資産税とは別に課されます。

なお、固定資産税と都市計画税は、次のように算出されます。

・固定資産税の算出方法:課税標準額×1.4%
・都市計画税の算出方法:課税標準額×0.3%

税額の算出に欠かせないのが、課税標準額です。課税標準額は、土地の公示価格や都道府県地価調査価格をもとに設定されます。土地の地目や条件によって細かい算出方法は異なりますが、公示価格や実際に売買される価格の7割程度が目安とされています。

市街化区域内に遊休地を持っていた場合

ここでは市街化区域内にて、固定資産税の評価額が1億円、面積が200平方メートルの遊休地を所有している場合に、どれだけの税金がかかるのかを試算してみましょう。

・固定資産税 1億円×1.4%=140万円
・都市計画税 1億円×0.3%=30万円  合計170万円

このように、1億円の価値がある遊休地では、保有するだけで毎年170万円もの税金がかかります。5年で850万円、10年で1,700万円と、長期間保有することを考えると、大きな金額です。
遊休地であれば土地から得られる収入もなく、毎年税金を支払うばかりで、資産自体は減ってしまっています。

そこで、仮に1億円の土地に、アパート・マンションなどの賃貸用物件が建っていたとしましょう。住宅用地には、固定資産税と都市計画税が減額される特例があります。

マンションなどの小規模住宅用地であれば、200平方メートル以下の部分に対して固定資産税・都市計画税は1/6、都市計画税は1/3まで減額されます。

つまり、固定資産税は約23万円、都市計画税は10万円になり、年間で約33万円まで抑えることが可能です。さらに、支出ばかりではなく、土地活用による家賃収入も得られるでしょう。

これはあくまでも試算であり、土地の広さや建物の面積、地目によっても変わってきます。しかし、遊休地の活用方法によっては、資産全体が減少することもあれば、資産を増やすことにもなります。

遊休地を放置するリスク

遊休地を放置していると、税金の支出以外にもさまざまなトラブルが起こるリスクがあります。具体的に、どのようなリスクがあるのか見ていきましょう。

粗大ゴミや産業廃棄物を不法投棄される

遊休地として土地を放置していることで、不法投棄の被害にあうケースは少なくありません。

土地の所有者には、清潔な状態で土地を維持する義務があります。不法投棄した者が見つからなければ、土地の所有者が費用を負担して撤去しなければならないのです。特に、遠方に土地を所有する場合、足を運ぶことが難しく土地の手入れがままならないケースもあるでしょう。

一度不法投棄しやすい場所だと知られてしまうと、何度も被害にあうことも考えられます。そうなると、撤去費用や不法投棄防止のフェンスや看板の設置など、ますます支出が増えてしまうかもしれません。

隣人トラブルにつながる

遊休地として土地を活用せずにいると、近隣の住民に迷惑をかけてコミュニティ全体の問題になることも懸念されます。

遊休地に雑草が生い茂り、害虫や動物の住みかとなることもあるでしょう。空き缶などのゴミがポイ捨てされて放置されれば、悪臭や虫の発生など、衛生上の問題も発生します。

管理されていない土地は近隣住民の不安を高め、土地オーナー様へのクレームにもつながります。清潔に管理されていない土地があるだけで、「あの土地の周辺は不衛生だ」というイメージを植えつけ、地域全体の土地の価値を下げることもありえるのです。

土地の資産価値が下がる可能性も

土地の価値は一定ではなく、年々変動します。周囲の開発や景気の影響により、地価が上昇する場合もあるでしょう。

しかし、人口が減り空き家や空き地が増えている日本において、都市部から離れるほど年々地価は下がるのが一般的です。

放置しているだけで、知らない間に土地の価値が下がってしまうのは、資産運用のうえで大きなリスクといえるでしょう。

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遊休地の税金を抑えるための活用方法

遊休地にかかる税金をゼロにすることはできません。しかし土地の活用法によっては税金の優遇措置を受けて税額を抑えることは可能です。一方で税金が抑えられなくても、支出以上の収入を見込める土地活用法もあるでしょう。

ここでは遊休地の活用法として、アパート・マンション経営、テナント経営、駐車場経営、定期借地の4つの方法をご紹介します。ご自身の土地に合うものがないか比較してみてください。

アパートやマンションを建てて賃貸経営

アパート・マンションなど居住用の物件を建てると、小規模住宅用地の特例が適用され、固定資産税や都市計画税を大幅に減額できます。

戸数×200平方メートル以下の部分に対しては固定資産税が1/6、都市計画税は1/3、それを超える部分も固定資産税が1/3、都市計画税が2/3となるのです。

アパートやマンションの賃貸経営は、都市部や人気の居住エリアに遊休地を持つ場合に、特に高い収益を生み出せます。建物の建築が必要なため初期費用は高い傾向にありますが、金融機関からローンを借り入れるのが一般的です。

賃貸としてのニーズが高い立地であれば、アパートやマンションを貸し出すことで税金の支出をまかなえるだけではなく、ローン返済額など毎月の出費以上の、安定した家賃収入が得られるでしょう。

ビルを建ててテナント経営

ビルを建設してのテナント経営では、基本的にアパートやマンション経営のように固定資産税や土地計画税の減額はありません。一方で高い収益が望めるため、結果として税金の支出以上の収入を見込める土地活用法でもあります。

テナント経営も、アパート・マンション経営と同様に建築費が必要です。しかし、基本的に住居よりもオフィスや店舗のほうが、高い賃料を設定できる傾向にあります。オフィス街や駅近などテナントとしての需要が高い土地であれば、有効な土地活用法でしょう。

ただし、テナント経営は景気の影響を受けやすいとされています。不景気を乗り越えられるだけの収入が見込めるのかを見極め、リスク分散などの対策も考えてから始めることが重要でしょう。

テナント経営のみでは減税は見込めませんが、居住用物件と併用することで税金の負担を減らすことも可能です。テナントとマンションの併用住宅で、居住部分が所定の割合を超えるなどの条件を満たせば、固定資産税や都市計画税の軽減措置の対象となります。を。

例えば、1~2階の低層部分をテナント、3階以上を居住用とすれば税金が抑えられるだけではなく、万が一テナントが思うように埋まらない際のリスクヘッジにもなるでしょう。

駐車場として貸し出す

税金の軽減措置はありませんが、将来的に他の使い道を探したいという遊休地なら、駐車場経営という方法もあります。

駐車場経営は立体駐車場でない限り、大きな建築物が必要なく、狭い土地でも始められます。すぐに更地に戻せるため、転用性が高い点も魅力的です。

ただし、アパートやマンション経営に比べると収益性も下がるため、税金の支出をまかなえるだけの収入があるかは、見極める必要があります。

周囲に住宅やオフィスがあれば月極駐車場、商業施設や駅があれば短時間の利用者が見込めるコインパーキングなど、最適な経営方法を選びましょう。

定期借地として企業に貸す

遊休地を資産として残したいけれども、将来的に利用する予定がない・初期投資も負担に感じるという方は、定期借地として貸し出す方法もあります。

得られる建物を貸すより賃料は高くはありませんが、税金をまかなえるだけの収入は得られる可能性があります。もし借主が居住用として土地を活用すれば、固定資産税や都市計画税の減税措置も受けられます。

定期借地とは、一定期間土地を貸し出すことを指します。定期借地には「一般定期借地権」、「事業用定期借地権」、「建物譲渡特約付借地権」の3種類があり、なかでも土地活用としてよく取り入れられるのは「事業用定期借地権」です。

定期借地の場合、あくまでも事業用として土地を貸すだけで、建物の建築や運用は借主が行ないます。

土地オーナー様はただ土地を貸し出すだけのため、収益は大きくないことが一般的です。

しかし、土地活用の費用は借主側が負担するため、土地オーナー様には初期費用がかかりません。また、定期借地の場合は契約期間の更新がなく、将来は確実に土地を手元に残すことが可能です。

土地の使われ方としては、コンビニ・飲食店などのロードサイド店舗・老人ホーム・倉庫など多岐にわたります。

維持コストを抑えたいなら「売却」も検討する

遊休地にかかる税金の支出を抑えるには、減税措置があるアパート・マンション経営や、支出以上の収益を上げられる土地活用法を検討するとよいでしょう。

しかし、土地の立地や条件によっては、土地オーナー様の意向と合致する活用法が見つからないこともあります。将来的にも遊休地を使用する予定がないのであれば、売却して手放すことも一つの手段です。

土地を手放すことは、資産を失うこととしてネガティブに考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、売却することで税金の支払いや管理の手間からは解放されます。

ただし、土地の活用法が見つかりにくい遊休地の場合は、売却額がそれほど見込めないこともあります。

遊休地の活用ができないのか、いくつかの活用法でシミュレーションを行ない、十分検討したうえで売却を決断しましょう。

まとめ

遊休地は、所有しているだけでは固定資産税・都市計画税の負担が毎年かかり続けます。

固定資産税や都市計画税の支出を抑えるには、減税措置があるアパート・マンション経営、収益性の高いオフィスビル経営など、周辺の環境に見合った土地活用を行なうことが大事です。

しかし、所有する遊休地がどの活用法に適しているのかわからない、という方も多いでしょう。

生和コーポレーションであれば、お持ちの遊休地がどのような土地活用に向いているのか、51年以上にわたる実績や綿密なマーケティングをもとにしたご提案が可能です。

事業計画から実際の経営や管理まで長期にわたりサポートいたしますので、まずは生和コーポレーションへお気軽にご相談ください。