不動産にかかる相続税!どうやって計算すると得?

相続税を計算する際には不動産財産だけでは正確に出すことができません。相続税の計算には正しい手順と計算の仕方があります。これを知らずに間違った計算で相続税を考えないように注意してください。ここでは正しい相続税の金額の導き方について説明します。相続税には非課税枠(相続税の基礎控除)があります。基礎控除を超えない相続税については非課税になるため、知っておくと得です。相続税について正しい知識を身につけ、後で困ることのないようにしましょう。

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遺産総額がわかって初めて出る相続税の額

正しい相続税を出すには不動産だけを切り離して考えることはできません。不動産にかかる相続税の計算をするときには、まず他の遺産も含めた総額を出すところから始めます。遺産の総額に含まれるものにはどんなものがあるか例を出してみましょう。

・預貯金、現金、株など
・土地、建物
・生命保険、死亡退職金など
・借入金
・葬儀費用など

借入金や葬儀費用は負の遺産になる部分です。相続税は正の遺産から負の遺産を差し引いた金額で計算されます。葬儀費用なども相続財産から差し引いて良いものなので忘れて損をしないようにしましょう。また特殊の適用対象になった土地は評価額に対して最大80%まで減額になります。特殊の適用には申告が必要なので土地の面積など該当しそうな要件がみられれば申告しましょう。(※)さらに生命保険の非課税額は法定相続人1人につき「500万円×法定相続人の数」です。

・法定相続人が3人の場合の生命保険非課税金額

500万円×3人=1,500万円が非課税。

(※)このケースで仮に総額1,000万円の生命保険を受け取ったとしても非課税金額1,500万円以内ですから課税対象になりません。死亡保険金にも同様の非課税額が適用されます。

それでは、一例として遺産総額を出してみましょう。

【配偶者と子ども2人の場合】

・預貯金、現金、株の合計9,000万円
・土地280平米の評価額7,000万円のところ1,400万円(特殊の適用により80%減額)
・建物の評価額800万円
・生命保険金6,000万円のところ4,500万円(1,500万円は非課税)

正の遺産合計1億5,700万円

・借入金300万円
・葬儀費用300万円

正確な総額を出せないと罰金がかかる?

遺産総額の出し方を説明しましたが、実際にひとつひとつをそろえていくには相当な時間を要します。現金や預貯金などは家族でも比較的分かりやすいでしょう。しかし株や生命保険、借入金は被相続人しか知らないことも多いものです。しかも土地や建物の場合は正しい評価額を出すことが前提になります。そして、これらの遺産総額を正しく出すには申請書類が必要です。一般的な遺産総額の申請書類をあげてみましょう。

・預貯金の場合

預金残高証明書、家族および被相続人(故人)の通帳のコピーなど

・土地の場合

全部事項証明書(登記簿謄本)、固定資産税評価証明書、実寸図など

・建物の場合

全部事項証明書(登記簿謄本)、間取り図、固定資産税評価証明書など

この他、株の保有やゴルフ会員権、書画骨董なども美術価値の高いものがあれば正の遺産としてみなされます。これらは法務局や証券会社など、それぞれに申請して残高を証明する書類をそろえなければなりません。借地などがある場合にはそれも個別に必要になります。(※)何があるかをすべて把握できたとしても申請書類をまとめるだけで相当な時間と手間がかかることでしょう。そして最も注意したいのが相続税の申告には期限があることです。

法律上は遺産相続の事実を知ってから10カ月以内の申告が定められています。この期限を過ぎてしまったり遺産にもれや計算違いがあったりすると罰金の対象になる恐れも出てくるのです。特に気をつけたいのは申告後に気づかなかった遺産が出てくることでしょう。遺産総額を正確に出すには素人では難しい部分が多いといえます。リスクを避けるためにも、相続税に関する内容は税理士など専門家へ任せるのが賢明です。

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路線価方式と倍率方式ってどう違うの?

土地や建物は評価額を出す必要があります。建物は固定資産税評価額の金額を使用します。しかし土地の評価額を出す方法には路線価方式と倍率方式という2つの方法があるのです。

路線価方式とは道路に面している標準的な宅地に対して定められている価額です。1,000円単位で1平米あたりで表示されています。路線価方式の方法がとられるのは路線価が定められている地域です。路線価に土地の形状などを考慮したさまざまな補正率をかけ、土地自体の面積を乗じて計算されます。

倍率方式とは路線価が決められていない地域に用いられる計算方法です。倍率方式は固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。固定資産税評価額は都税事務所や市区町村役場で確認しましょう。(※)路線価方式と倍率方式のどちらが採用されるかについては、土地のある地域に路線価が定められているかどうか調べる必要があります。一般的に市街地は路線価方式が多く、郊外などの場合は倍率方式が多い傾向です。

いびつな土地は補正率で価値を低く

路線価方式で土地の評価額を出すには補正率が使われます。路線価方式は評価対象になる土地の正面路線、側方路線、そして裏面路線といったそれぞれの路線価から評価していきます。しかし正方形や長方形のような土地は算出もしやすいですが、実際には整った形状の土地ばかりではありません。

そこで補正率をかけて補正をするという計算方法がとられています。評価額は対象の土地がいくつの路線に面しているかでも計算の仕方は違ってきます。例えば正面路線には路線価に奥行価格補正率を乗じて計算しますが、側方路線には奥行価格補正率と側方路線影響加算率を乗じて計算されます。

それぞれの路線から計算された価額から、土地の1平米あたりの評価額を出します。そのため、いくつの路線に接しているかでも計算の仕方は違ってきます。基本的にいびつな土地の形状の場合は補正率を乗じることで評価は下がる傾向です。(※)奥行価格補正率などのさまざまな補正率は国税庁のホームページで確認できます。

正しい相続税の申告は正確な遺産総額で

相続税の正しい申告には基本知識を踏まえた上で、正確な遺産総額を算出することが重要といえます。

遺産総額を算出するといっても土地の評価額から預貯金、株などさまざまな書類が必要です。被相続人が所有していた資産がたくさんあるほど調べるには相当の時間と手間がかかるでしょう。さらに万が一、被相続人の資産の計算もれが出てしまったときには罰金などのリスクが生じかねません。

正しい相続税を期限内で済ませるには早いうちから税理士など専門家の手を借りて速やかに行うのが賢明といえるでしょう。

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