駐車場の固定資産税はいくら?計算方法・節税方法・経営のコツを土地活用専門家が解説【2025年最新版】
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2025.11.25
土地活用の基本知識 土地オーナー様のお悩み解決

駐車場の固定資産税はいくら?計算方法・節税方法・経営のコツを土地活用専門家が解説【2025年最新版】

駐車場経営は初期投資額を少なく抑えられ、安定した収益を得られるため、土地活用の中でも一般的な方法の一つです。しかし、実際は「固定資産税が高い」「住宅用地の特例が使えない」といった悩みを抱える土地オーナー様も少なくありません。

その理由は、固定資産税の仕組みにあります。駐車場は住宅用地とは異なり「雑種地」として課税されるため、特例による減税がありません。そのため、賃貸マンションの経営よりも固定資産税が最大6倍になるケースもあります。

この記事では、土地活用で半世紀以上の実績を持つ生和コーポレーションが、2025年最新版の税制に基づき、駐車場経営でかかる固定資産税の仕組み・計算方法・節税対策のポイントについて網羅的に解説します。

専門家によるシミュレーションも交えながら説明しますので、最後まで読んでいただき、具体的な節税対策の方法を理解いただけると幸いです。

この記事の目次

  • 1 駐車場経営の固定資産税はなぜ高い?
  • 2 駐車場の設備に関わる固定資産税とは?
  • 3 駐車場を経営する場合の固定資産税の計算方法
  • 4 固定資産税を節税するためのポイント
  • 5 固定資産税を理解して駐車場経営で損しないコツ
  • 6 まとめ|駐車場経営に関するご提案

駐車場経営の固定資産税はなぜ高い?

駐車場の固定資産税が高いと一般的にいわれる理由は、「駐車場」と「住宅用地」の地目の違いにあり、同じ土地でもその使い方によって税額に大きな差が生まれます。まずは駐車場に課せられる固定資産税の仕組み、住宅地との違い、評価額の高止まりの要因について説明していきます。

駐車場経営にかかる固定資産税の概要

固定資産税とは、土地・建物・償却資産に対して毎年課される地方税のことです。駐車場の経営者が支払う固定資産税の対象は、主に「土地(雑種地)」と「設備(償却資産)」になります。

駐車場の場合は、住宅用地とは異なり、「雑種地」に該当するため減税特例が受けられず、課税額が高くなりがちです。基本税率は、評価額の1.4%(標準税率)ですが、自治体によって若干異なります。また、都市計画区域内にある土地の場合は、都市計画税(0.3%以下)も加算されるため、実質負担は1.7%前後となります。

課税の基準日は、毎年1月1日。固定資産課税台帳に登録されている土地や建物などの固定資産に課税されます。駐車場にかかる固定資産税の納付方法は、毎年4~5月に納税通知書が届くので、年4回の分割方式か一括方式による納付のどちらかを選べます。区役所・コンビニ・銀行・各金融機関などで納付することができます。

住宅用地と「雑種地」の固定資産税の違い

家やマンションを建てるための土地は「宅地」、駐車場として利用している土地は「雑種地」として評価されます。

詳しく説明すると、不動産登記法では、土地の地目は23種類に分類されています(宅地・学校用地・鉄道用地・運河用地・水道用地・田・畑・塩田・池沼・山林・保安林・牧場・原野・鉱泉地・墓地・境内地・ため池・用悪水路・堤・井溝・公衆用道路・公園・雑種地)。

これらのうち、宅地は「建物の敷地及びその維持もしくは効用を果たすための土地」と定義され、雑種地は「ほかのどの地目にも該当しない土地」と定義されています。

そして、住宅用地には、固定資産税の軽減措置が適用されるため、課税額が大きく下がります。しかし、雑種地として扱われる駐車場は、この減税特例の対象外となるため、同じ面積の土地でも、住宅用地の約3〜6倍の税金が発生することになります。

具体的には、宅地は「住宅用地(家やマンション)」と「非住宅用地(店舗や工場)」に分けられ、住宅用地には、税負担を軽減する目的で特例の減免措置が設けられています。

小規模住宅用地(200㎡以下)の場合の固定資産税は課税標準額×1/6、都市計画税は課税標準額×1/3となり、一般住宅用地(200㎡以上)の場合の固定資産税は課税標準額×1/3、都市計画税は課税標準額×2/3に減額されます。

※課税標準額とは、固定資産税を課税するための基準となる価格です。固定資産は「課税標準額(評価額×税率)」によって算定します。

土地区分 評価額 軽減率 実効税率 年間税額(例:評価額2,000万円)
小規模住宅用地 2,000万円 1/6 約0.23% 約4.6万円
駐車場(雑種地) 2,000万円 なし 1.4% 約28万円

ひと口に駐車場といっても、コインパーキングなどのアスファルト舗装された駐車場や、砂利敷きの青空駐車場などがありますが、そのほとんどが「雑種地」として評価されます。

しかし、マンションやアパートなどに併設されている駐車場については「住宅用家屋の敷地と一体となっている庭・自家用駐車場」に該当し、主要な地目が「宅地」として認められます。

そのため、建物と駐車場を一体として利用している土地であれば、住宅用地の減税特例が認められ、固定資産税を安く抑えられる可能性があります(節税方法の詳細は後述します)。

ただし、野球場などに併設される駐車場は、主要な地目が「雑種地」となり、まとめて「雑種地」と判断されます。

評価額が高止まりする理由

固定資産評価額は3年ごとに見直されますが、都市部では地価が高騰傾向にあり、評価額が下がりにくい状態です。

特に駅近や幹線道路沿いなどは、商業的利用価値が高いとみなされ、住宅地よりも高く評価されやすくなります。

さらに、駐車場は収益を生む土地として扱われるため、住宅よりも課税対象として厳しく見られます。

関連ページ:マンション建築に掛かる固定資産税はどのくらい

駐車場の設備に関わる固定資産税とは?

駐車場に課せられる固定資産税は、土地だけでなく、駐車場設備にも課税されます。

この設備課税が「償却資産税」と呼ばれ、機械式駐車場やコインパーキングなどでは特に負担が大きくなります。

それでは、償却資産の定義や課税対象、節税できる工夫について詳しく見ていきましょう。

駐車場設備に関する固定資産税の概要

償却資産税とは、事業用資産に課せられる固定資産税の一種で、土地・建物以外の構築物・機械・器具備品などが対象です。通常は取得費用が10万円を超える資産のことを指し、「構築物」「機器及び装置」「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」「工具類」の6つに分類されます。

償却資産の合計金額が150万円以上になると固定資産税を課される対象になり、駐車場で課税対象となる設備としては、例えば「屋根」「アスファルト舗装」「フェンス」「外灯」などが挙げられます。

駐車場設備における主な課税対象の償却資産は以下の通りです。基本的にはいずれも耐用年数1年以上・取得価格10万円以上であれば申告対象となります(例外もあります)。

  • アスファルト舗装・コンクリート舗装
  • フェンス・車止め・ロック板
  • カーゲート・フラッパーゲート
  • コーナーガード(柱・壁と一体となっているものを除く)
  • 垂直循環式駐車場(メリーゴーランド式)の機械装置一式
  • エレベータースライド方式駐車場の機械装置一式
  • ターンテーブル
  • 駐車料金自動収納装置・料金精算機・駐車券発行機
  • 車番認識装置・監視カメラ
  • カーブミラー・照明設備・看板など

また、償却資産に該当しない可能性のある主なものは以下の通りです。

  • 垂直循環式駐車場(メリーゴーランド式)外壁、屋根、基礎
  • エレベータースライド方式駐車場の外壁、屋根、基礎
  • エレベーター方式駐車場(駐車スペースに自走で移動するもの)
  • 外壁・エレベーター・基礎

償却資産税の計算方法

償却資産税は、資産をいつ取得したのか、「前年中」か「前年より前」かによって変わってきます。詳しい計算方法については後述します。

例えば、精算機を前年中に取得していた場合
→評価額=60万円×(1-0.369/2)=48万9,000円
→税額=48万9,000円×1.4%=6,846円
となります。
※ 精算機60万円、精算機の耐用年数5年、減価率0.369で算出

舗装や精算機などを合計で300万円分設置した場合、初年度の評価額が約80%として計算されるため、課税額=300万円×0.8×1.4%=約3.36万円です。

わずかな金額でも、複数設備が積み重なると毎年の税負担は大きくなります。

詳しい償却資産税の計算方法については後述します。

償却資産税を抑える工夫

次のような工夫をすることで、固定資産税と償却資産税の両方について軽減することが可能です。

  • 土地活用業者に運営を委託し、設備は業者が用意する
  • 舗装を最小限にして、砂利敷き・ライン引きのみで運営し、免税点の150万円未満に抑える
  • 設備を10~20万円未満に抑え「一括償却資産※」として3年償却

※取得価格10万円以上20万円未満の資産を3年間で均等償却する方法。固定資産税の課税対象から外すことができます。

駐車場設備にかかる固定資産税の申告方法

駐車場の設備にかかる固定資産税の申告方法は、次のとおりです。

駐車場にかかる固定資産税の額は毎年4~5月に送られてくる「固定資産税・都市計画税納税通知書」で確認することができます。納税通知書には土地や建物ごとの価格に加えて、計算方法まで記載されているため、気になる方は目を通すといいでしょう。

もし「固定資産税・都市計画税納税通知書」を破棄してしまった場合は、数百円の手数料を払い、自身の土地を管轄する市区町村役場で「固定資産公課証明書」を発行することができます。そのほかに「固定資産課税台帳」を確認する方法もありますが、納税義務者や関係者しか閲覧できない上、こちらも手数料がかかります。

土地や家屋と違い、償却資産税は1月1日時点で所有する資産を「償却資産申告書」で申告する必要があります。
申告書の内容や調査結果から、市区町村または都税事務所が税額を決定し、納税通知書が届きます。

また、駐車場の設備のような固定資産は、取得価格が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産として経費計上できます。

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駐車場を経営する場合の固定資産税の計算方法

駐車場経営における税金の正確な理解は、収益シミュレーションの精度に直結します。

固定資産税と都市計画税の計算式、評価額の確認方法について解説し、さらに、実際に駐車場経営をする場合の固定資産税の計算例を、いくつかのシミュレーションで紹介します。

基本的な固定資産税の計算式

固定資産税を求める計算方法は、所有する固定資産の課税標準額に標準税率(1.4%)を乗じて求められます。

課税標準額は、所有する固定資産の評価額のことを指し、固定資産税を計算するときの基準となる価格です。実際には固定資産税と別に、都市計画税という税金も固定資産にかかってきます。

固定資産税の計算式

  • 固定資産税=課税標準額×標準税率(1.4%)
  • 都市計画税=課税標準額×最大税率0.3%
  • 合計税額=固定資産税+都市計画税

【例】
評価額3,000万円、都市計画区域内の場合:
→(3,000万円×1.4%)+(3,000万円×0.3%)=51万円/年

課税標準額の確認方法

固定資産の評価額は、東京都や各市町村が土地の公的価格や家屋等の時価額にもとづいて算定し、3年に1度見直しがかけられる時点での地価に応じて金額が決まります。

そして評価額を元に実際に税金を計算する際に使用される金額が課税標準額です。評価額と課税標準額は基本的には同額になりますが、特例が適用された場合は課税標準額が評価額より低い金額となります。

この課税標準額は、市町村から送られる「固定資産税納税通知書」で確認できます。もし評価額が周辺の土地より高い場合は、「固定資産評価審査委員会」への申し立てが可能です。提出期限は納税通知書の交付日から3か月以内です。

シミュレーション:住宅用地 vs 駐車場

区分 評価額 税率 年間税額 都市計画税(0.3%) 合計税額
住宅用地 2,000万円×1/6 1.4% 4.6万円 1万円 5.6万円
駐車場 2,000万円 1.4% 28万円 6万円 34万円

同じ土地でも、用途区分によって年間28万円もの差が生じます。

土地・家屋・償却資産の評価額計算方法

前述のとおり、駐車場経営に関する固定資産税は、土地・家屋・償却資産の評価額を計算し、それぞれにかかる税金を合算した金額となります。

それでは、土地・家屋・償却資産について、固定資産税を算出するために必要な評価額の計算方法を順番に紹介します。

土地の評価額の計算式

土地の固定資産税評価額は、公示地価の約70%が評価額となります。計算式は以下の通りです。

土地の評価額=公示価格の約70%

土地の評価額は地域によってばらつきがあり、地価が安い時期・安い地域は固定資産税も安く、地価が高騰している地域では評価額も高くなります。

家屋の評価額の計算式

家屋の評価額は、「現時点で同じ建物を同じ土地に建てたらいくらになるか」を想定して建築価格を求める「再建築価格方式」によって算出されます。はじめに家屋の単価を算出し、経年劣化分を減価することで求めることができます。計算式は以下の通りです。

家屋の評価額=再建築価格×経年減点補正率

再建築価格は家屋を構成する部分(屋根や床、外壁など)や構造、資材などに定められた点数が積み上げられて算出されます。そこに経年による補正率で、築年数に応じて減額された額が評価額となります。

固定資産税の計算をする際に、家を購入した金額の6~7割に税率をかけると大体の固定資産税の金額がわかるといわれています。しかし、固定資産税の算定は「家を新築で購入したか」「家を中古で購入したか」「家を建ててからどのくらいの年数が経っているのか」という点も考慮しなれければならないため、正確な金額とはいえません。

償却資産の評価額の計算式

償却資産は、そのひとつひとつに評価額をつけていきます。駐車場の場合「精算機の評価額」「フェンスの評価額」など、資産を取得した年月や、取得にかかった金額、耐用年数などをもとに評価額がつけられます。

例えば、10年前に30万円で取得した精算機の現在の評価額が5%を下回った場合、評価額の下限は取得価額の5%までと定められているため、30万円の5%に相当する1万5千円が評価額となります。また、償却資産を取得した年が「前年度」か、「前年度以前」かによって計算式が異なるため注意が必要です。

前年中に取得した資産の場合:取得価額×{1-(減価率÷2)}

前年度以前に取得した資産の場合:前期の価格×(1-減価率)

税額=評価額×1.4%

減価率は建物の劣化を数字で表したもので「耐用年数に応ずる減価率表」で簡単に調べることができます。

固定資産税と都市計画税を足したものが実際にかかる税金

固定資産税は「固定資産税=課税標準額×標準税率(1.4%)」によって算出されますが、上述の通り、都市計画税という税金が固定資産税とは別にかかります。

都市計画税は、道路の建設や上下水道の整備といった、都市計画事業などに充てることを目的とした税金です。原則として「市街化区域」内に土地や家を所有している方に課せられる税金で、土地や家を所有する全ての人が納めなければいけないわけではありません。

市街化区域とは、「おおむね10年以内に市街化を計画している区域」または「すでに市街化が完了している区域」を指します。土地や家のある区域が市街化区域か調べるには、土地や家を管轄する自治体の窓口に聞きにいく方法や自治体のホームページで公開されている都市計画マップを調べる方法があります。土地や家を購入する前であれば、不動産会社に調べてもらうことも可能です。

都市計画税の税額は「都市計画税=課税標準額×都市計画税率」によって算定されます。都市計画税は東京都や各市町村が課す地方税のため、税率は自治体によって違います。

ただし、都市計画税の税率は0.3%を上限としているため、0.3%より高くなることはありません。正確な税率は自治体のホームページを確認するなどして調べましょう。

土地にかかる固定資産税の計算

アパートと駐車場にかかる固定資産税を、土地面積・土地の評価額を同一としたシミュレーションで算出し比較してみましょう。

シミュレーション①

  • 住宅用地
  • 市街化区域に建設したアパート
  • 床面積300㎡
  • 土地面積200㎡
  • 土地の評価額9,000万円
  • 建物の評価額5,000万円
  • 固定資産税1.4%
  • 都市計画税0.3%
  • 小規模住宅用地に該当するため住宅用地の特例適用
  • 新築住宅のため固定資産税1/2

建物にかかる固定資産税の計算

固定資産税=5,000万円×1/2×1.4%=350,000円
都市計画税=5,000万円×0.3%=150,000円
固定資産税+都市計画税=500,000円
建物にかかる固定資産税=500,000円

土地にかかる固定資産税の計算

固定資産税課税評価額=9,000万円×1/6=1,500万円
都市計画税課税評価額=9,000万円×1/3=3,000万円
固定資産税=1,500万円×1.4%=210,000円
都市計画税=3,000万円×0.3%=90,000円
土地にかかる固定資産税=300,000円
市街化区域に建設したアパートにかかる固定資産税=800,000円

シミュレーション②

  • 雑種地
  • 市街地のコインパーキング
  • 土地面積200㎡
  • 駐車スペース7台
  • アスファルト舗装費用300,000円
  • 精算機400,000円
  • 土地の評価額9,000万円
  • 固定資産税1.4%
  • 都市計画税0.3%

土地にかかる固定資産税の計算

固定資産税=9,000万円×1.4%=1,260,000円
都市計画税=9,000万円×0.3%=270,000円

償却資産にかかる固定資産税の計算

償却資産の合計額=300,000円+400,000円=700,000円
償却資産の合計額が150万円以下のため課税対象外
市街地のコインパーキングにかかる固定資産税=1,530,000円

以上のように、住宅用地の特例がない雑種地の場合、固定資産税が高くなることがわかります。

償却資産にかかる固定資産税の計算

実際に償却資産にかかる固定資産税をシミュレーションで計算してみましょう。

シミュレーション①

  • 新設したコインパーキングの駐車機器5台
  • 1台あたり100万円
  • 耐用年数10年
  • 償却率0.206
  • 固定資産税1.4%

償却資産にかかる固定資産税の計算

駐車機器の評価額=取得費用×{1-(償却率÷2)}==500万×(1ー0.206÷2)=448万5千円
償却資産にかかる固定資産税=448万5千円×1.4%=62,790円
100円未満は切り捨てのため62,700円
新設したコインパーキングの償却資産にかかる固定資産税=62,700円

以上の計算で注意してほしい点は、初年度の場合の計算ということです。償却資産にかかる固定資産税の額は年々下がっていきます。以上の計算条件のまま、コインパーキングを建設してから2年目の償却資産にかかる固定資産税の計算をしてみましょう。

シミュレーション②

  • 建設から2年目のコインパーキングの駐車機器5台
  • 1台あたり100万円
  • 耐用年数10年
  • 残価残存率0.206
  • 固定資産税1.4%

償却資産にかかる固定資産税の計算

駐車機器の評価額=前年度の評価額×(1-償却率)=448万5千円×(1ー0.206)=356万1090円
課税標準額は千円未満切り捨てのため356万1000円
償却資産にかかる固定資産税=356万1090円×1.4%=49,855円
100円未満は切り捨てのため49,800円
建設から2年目のコインパーキングの償却資産にかかる固定資産税=49,855円

以上のように、3年、4年と時間が経つにつれ償却資産にかかる固定資産税の額は少なくなっていきます。

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固定資産税を節税するためのポイント

土地や建物にかかる固定資産税は完全に免除することはできません。しかし、節税方法は存在します。ここでは、実際に活用できる4つの節税の方法を紹介します。

1.マンションやアパートの土地と一体利用する

前述した通り、住宅用地には特例が認められ、固定資産税が軽減されます。一戸建てだけではなく、賃貸アパートや賃貸マンションなども減税措置の対象です。

ここに固定資産税を節税するポイントがあります。住宅用地の特例が認められる土地の中に「住宅用家屋の敷地と一体となっている庭・自家用駐車場」も含まれます。

つまり、マンションやアパートなどの土地と駐車場とを一体利用していれば、「小規模住宅用地」や「一般住宅用地」に含まれる土地として住宅用地の特例が認められ、固定資産税が軽減されるというわけです。

同じ駐車場でもアパートやマンションなどの住宅用地と繋げることで、固定資産税を節税することが可能になります。

また、太陽光発電との併用(ソーラーカーポート)も注目の節税手法です。
設置費用は大きいものの、発電設備に対して固定価格買取制度(FIT/FIP)を活用すれば、設備費用を税控除+売電収入で回収できる仕組みもあります。

2.償却資産に税金がかからないよう考える

駐車場経営の場合、償却資産に税金がかからないように考えることも重要です。

駐車場設備となる駐車機器やアスファルト舗装などの償却資産の取得費用が150万円を超えると固定資産税が課せられるので、150万円を超えないように駐車場の形態を見直したり、設備を減らしたりするのも、固定資産税を節税するひとつの方法です。

また、駐車場の運営業者に土地を貸し出して、業者が設備を用意することで、償却資産税を回避する方法もあります。管理・運営コストも不要となりますが、土地貸し事業となります。

3.一括償却資産制度を利用する

固定資産税を節税するために、一括償却資産制度を利用する方法もあります。

一括償却資産とは、新品または中古で取得価格が10万円以上20万円未満の原価償却資産を指します。
一括償却資産制度は、一括償却資産のすべての費用を3年に分けて処理する制度のことです。

一括償却資産制度を利用した固定資産税の節税の例をシミュレーションしてみましょう。
※リース資産は原則対象外です。

シミュレーション

  • 駐車場に外灯を25個設置
  • 1個あたり17万円
  • 耐用年数10年
  • 残価残存率0.206

償却資産にかかる固定資産税の計算(一括償却資産制度を利用しない場合)

評価額=取得費用×{1-(償却率÷2)}==425万円×(1ー0.206÷2)=381万2250円
償却資産にかかる固定資産税=381万2250円×1.4%=53,300円
駐車場の外灯にかかる固定資産税=53,300円

償却資産にかかる固定資産税の計算(一括償却資産制度を利用する場合)

外灯の取得費用425万円を3年に分割
1年目=142万円
2年目=142万円
3年目=142万円
1~3年目の償却資産の合計額が150万円以下のため課税対象外
※外灯1個ずつに対して一括償却資産制度を利用した結果を合計で記載しています。

上記のように、一括償却資産制度を利用すれば固定資産税を節税することができます。

4.相続税対策も可能

貸付事業用宅地として認められる被相続人が所有していた土地に建物や構築物を建築し、駐車場等を経営した場合、「貸付事業用宅地等」に該当するとされ、相続税の小規模宅地等の特例が適用されます。

例えば、砂利敷きの青空駐車場は自用地に該当するため特例は認められませんが、砂利敷きをアスファルト舗装や車止めなどを設置に変えた場合、貸付事業用宅地等に該当する場合があります。アスファルトや車止めなどは構築物として認められるからです。

貸付事業用宅地等として小規模宅地等の特例が適用されると、土地の評価額を限度面積である200平方メートルに限り50%減額できます。

減額される金額には上限はありませんが、特例が適用される面積は200平方メートルに限定されます。地価が高い場合でも、200平方メートルまでは特例が適用されます。ただし、減額が認められるのは宅地の評価額のみで、建物は減額対象とならないので注意が必要です。

貸付事業用宅地等として認められることができれば、相続税の課税財産を減らすことができ、大きな節税効果を得ることができます。

評価額の見直し・異議申立て

固定資産税の評価額は3年ごとに改定されます。しかし、誤った評価や用途変更が反映されていないケースもあります。市区町村役場で「固定資産課税台帳」を閲覧し、評価が実態より高い場合は、固定資産評価審査委員会に対し異議申立てをすることが可能です(納税通知書受領後3ヶ月以内)。

地目が「宅地」から「雑種地」に変わっているのに、評価額が下がっていない場合は、見直し請求で税金を減らせることもあります。

固定資産税を理解して駐車場経営で損しないコツ

固定資産税を理解しないまま駐車場を始めると、思わぬ赤字に陥るケースがあります。収益性と税負担のバランス、駐車場以外の土地活用の方法についても理解した上で、駐車場を経営しましょう。

具体的には、固定資産税・都市計画税・管理費を合わせた年間支出の固定額を、駐車場収入が上回るか確認しましょう。目安として、年間税負担が収益の10%を超える場合は注意が必要です。特に郊外や地方都市では、地価が低くても利用率が悪ければ赤字経営になりがちです。

また、駐車場は更地のため、将来的にアパートや商業施設への転用が容易という利点を持っていますが、駐車場のまま保有している期間は固定資産税のコスト負担が膨らむため、定期的な活用方法の見直しが欠かせません。

地価上昇で固定資産税評価額が上がり続ける都市部などでは、税金が利益の3〜4割を占めることもあります。その場合は、駐車場として運用するよりも、アパートや店舗併設などに転用した方が長期的には高収益を得られる可能性があります。

まとめ|駐車場経営に関するご提案

土地を持っているだけでかかる固定資産税。しかし、土地の使い方・所有の仕方を変えるだけで、収益に大きな差が出てきます。

駐車場経営は低リスクな土地活用の方法ですが、固定資産税は見落とされやすいコストです。税金をコントロールできる経営コストとして捉え、戦略的に土地を活かしましょう。

土地活用で半世紀以上の実績を誇る生和コーポレーション株式会社は、土地オーナー様に経済的利益をもたらす効果的な土地活用を実現しています。

「駐車場経営の儲けが少なくなってきた」「駐車場の相続に悩んでいる」など駐車場のお悩みや課題に対して、さまざまな解決提案が可能です。お困りごとやご不安を抱えていましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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記事監修者プロフィール

生和コーポレーション株式会社
統括本部
宮本勇輝
営業部に所属し、不動産オーナー様への土地活用の企画提案営業を経験し、土地活用・賃貸経営に関する豊富な知識を有している。
現在は営業部やマーケティング部のイベント立案、統括業務に従事している。
【保有資格】宅地建物取引士

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

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会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
0120-800-312
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