対策するなら知っておこう!相続税と路線価の関係

被相続人から土地を相続した場合、その土地には相続税がかかってきます。ところが、土地の価格がわからないので相続税の計算ができないという人も少なくありません。ちなみに、土地に対する相続税の評価は実勢価格ではなく、多くの場合は路線価に基づいて行われます。ただ、路線価という言葉自体を知らないという方もいるでしょう。そこで、路線価とはどういったもので、なぜ相続税を路線価で計算するのかなどについて解説をしていきます。
路線価って一体何?
路線価とは相続税や贈与税を算出する際に用いる土地の評価額のことで、相続税路線価と呼ばれることもあります。価格は1平米単位で表され、国税庁が毎年7月に新しい価格を発表しています。仮に、2017年10月に土地の被相続人が亡くなったとすれば、相続税の算出には2017年7月に発表された路線価が用いられるわけです。ただし、注意が必要なのは路線価が発表される前に亡くなったケースです。たとえば、2018年2月に被相続人が亡くなった場合、すぐには相続税の計算はできません。2018年7月に行われる新しい路線価の発表を待たなくてはならないのです。なぜなら、発表は2018年7月であってもその中身は2018年1月1日時点のものであり、その時点で価格が更新されているからです。ちなみに、路線価は実際の取引価格と同じというわけではなく、実勢価格の7~8割程度が相場となっています。
別々に存在する2種類の路線価
一般的に、路線価といえば相続税路線価のことですが、そのほかにも固定資産税路線価というものもあります。これは文字通り、固定資産税を計算するために定められた土地の評価額です。相続税路線価も固定資産税路線価も国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に発表する公示地価に基づいて算出されます。ただし、前者は国税庁によって発表されるのに対して、後者は東京都知事や各市町村長によって定められるという違いがあります。ちなみに、相続税路線価と固定資産税路線価の比率は8:7といわれていますが、これはあくまでも目安にすぎません。実際は地域などによってかなりのバラつきがあります。
そもそもなぜ路線価というものが定められているのでしょうか。それは土地の価値をある程度固定化させるためです。土地の売買価格というのは売り手と買い手 の合意によって決まります。したがって、同じ土地でも買い手が変わると価格も大きく上下する可能性があります。そのように価格が不安定なものに対して税額を決めるというのは困難です。そこで、実勢価格に代わる統一基準として国や自治体が定めた路線価があるというわけです。
路線価で相続税を計算するには?
路線価は国税庁や税務署に行って確認することもできますが、より簡単なのは国税庁のホームページにアクセスすることです。そうすれば、家にいながら全国の路線価を調べることができます。路線価は地域ごとに分かれて掲載されているので、まず自分の調べたい土地の住所にアクセスしてください。すると、地図が表示され、道路ごとに数字が書き込まれているのが見えるはずです。
たとえば、(400C)や(140D)といった具合です。この数字が路線価です。千円単位で表記されているので(400C)なら40万円ということになります。したがって、(400C)と書かれた道路沿いに120平方メートルの土地があれば、その評価額は40万円×120で4800万円です。また、(400C)や(140D)などの末尾のアルファベットは借地権割合を示しており、A なら90%、Bなら80%、C なら70%という具合に10%刻みになっています。
仮に、前述の土地が借地の場合は、40万円×120×0.7で3360万円が評価額になります。しかし、なかには2つ以上の道路に面しており、路線価が複数存在する土地も少なくありません。そういった場合は原則として一番高い路線価に基づいて計算を行います。そして、これらの土地評価額に税率を掛ければ相続税の額が明らかになります。ただし、これらはあくまでも概算です。実際には細かい条件の違いによって補正が入るため、導き出される数値も変わってきます。したがって、正確な額が知りたい場合は税理士などの専門家に相談した方がよいでしょう。
関連ページ:土地の相続税評価額の計算方法は?
路線価を用いるときの注意点は
路線価はすべての道路に設定されているわけではありません。奥まった土地や人口の少ない地域の場合、路線価のない道も存在します。その場合は、代わりに固定資産税評価額によって土地の評価額を導き出します。ただし、固定資産税評価額は実勢価格の60~70%程度だという点には注意が必要です。そのまま用いたのでは、路線価の場合と比べて税額がかなり安くなってしまいます。そこで、あらかじめ定められている倍率をかけて数値を調整するわけです。
これを従来の路線価方式に対して倍率方式といいます。なお、この倍率は地域によって異なりますが、具体的にいくらになるかは国税庁のホームページに掲載されている評価倍率表で確認が可能です。
ちなみに、路線価方式や倍率方式によって導き出された評価額は実際の取引額の7~8割が相場であるため、相続するなら現金よりも土地の方が節税になると思われがちです。しかし、そこには思わぬ落とし穴が存在します。土地価格の下落が早い地域では、路線価や固定資産税評価額の是正が間に合わず、実勢価格の方が安くなるケースがあるのです。そうなると、本来の土地の価値以上に税金を取られることになってしまいます。したがって、現金を土地に変えての相続を検討している人は、実勢価格の推移をよく確認しておいた方がよいでしょう。
土地相続の際には専門家に相談するのが賢明
親族から土地を相続する場合は、相続税対策として路線価などについて知らなければ大きな損失につながりかねません。しかし、そうはいっても、路線価による評価額の算出は非常に難解で、税理士でも詳細まではわからないという人がいるくらいです。ましてや、独力で土地の評価を行おうと思ってもおのずと限界があります。したがって、土地相続の際には専門家に相談するのが賢明です。しかも、専門家ならだれでもよいというわけではなく、なるべく土地相続に詳しい人に依頼する必要があります。評価する専門家によっても、相続税の額が変わってくる可能性があるからです。 万全を尽くし、後でしまったと思うことがないようにしておきましょう。
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