賃貸マンションに求められる「デザイン+企画力」とは?

土地や建物に関するコンサルティングカンパニーSEIWAから土地オーナーの皆様の今後をサポートする情報を毎月お届けする「生和ジャーナル」vol74

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賃貸マンションに求められる「デザイン+企画力」とは?

街並みに調和しながら、エリアのシンボルとなる建物を造る

時代を超えるヴィンテージマンションの魅力

「経年優化」を実現するデザイン

マンション建設を計画する際に、建物のデザインは大きなポイントとなります。デザインを行うにあたっては、十分なエリアマーケティングを踏まえたマンションの企画が重要です。単に建物の見た目の美しさや質感を追求するのではなく、マンションのコンセプトに沿ったデザインを考える必要があるのです。

マンションが街の景観を形作る一要素となる以上、施行主には責任が生じます。数十年にわたって存在する建物が地域に貢献できるものであるかどうかを、計画段階で念入りにチェックするべきでしょう。

経年劣化ではなく、時の経過とともに価値を高めていく「経年優化」。当社では経年優化を念頭に置いた物件づくりを心がけています。

時を経ても価値を保つヒルサイドテラス

築後数十年が経過しても人気が衰えず、販売価格や賃料が高止まりしたままの「ヴィンテージマンション」が存在します。その例の一つとして挙げられるのが、東京都渋谷区の代官山にある「ヒルサイドテラス」。1967年から1992年まで数期に分けて建設され、代官山のハイクラスなイメージを牽引してきました。

センスの良いショップや飲食店が軒を連ねているというイメージが強いですが、開発当初は建物の大部分が住居用でした。性急な開発を行わず、環境の変化に適合させながら長期にわたって快適な場所となるように努めた結果、異なるデザインが混在しながらも全体として調和を感じさせるものとなっています。

並木道と調和するコープオリンピア

東京都渋谷区神宮前、ケヤキ並木が美しい表参道に面して建っている「コープオリンピア」は、高級マンションの草分けとも言える存在です。海外滞在の経験がある富裕層をも満足させるというコンセプトのもと企画・設計が進められ、東京オリンピック翌年の1965年に完成。当時の分譲価格は最高で1億円を超え、いわゆる「億ション」の第一号となりました。

並木道との調和が図られた外観は、暗色のタイルと銀色のアルミサッシという落ち着いた色合いで、並木の緑を引き立てています。設備も当時としては先進的で、セントラル方式の全館24時間冷暖房やエレベーターを完備。ホテルのようなフロントサービスも導入されました。原宿駅から近いこともあってオフィスとしての需要もあり、今もなおなかなか空きが出ない人気物件となっています。

表参道ヒルズの高級賃貸レジデンス

レトロなたたずまいで愛された同潤会青山アパートの再開発プロジェクトとして、2006年に誕生した「表参道ヒルズ」。ブランドショップや飲食店などが入る商業施設の上層部は賃貸レジデンス「表参道ゼルコバテラス」となっています。安藤忠雄氏設計の住戸は白を基調とするシンプルなデザインで、全戸南向き。間口が広い窓ガラス越しに、ケヤキ並木が一望できます。

周辺環境との親和性が重要なポイント

企画力が評価されたグッドデザイン賞

2018年度、当社が設計・施工を手がけた2つのマンションがグッドデザイン賞を受賞いたしました。近年のグッドデザイン賞は、デザインが社会においてできること、社会における課題や将来発生が予想される課題を見すえてデザインすることが求められます。マンションで言うならば、施主様は建設エリアの人の流れなどの「コト」を含めて考える必要があります。

当社は建物のデザインや施工技術に関して高いレベルにあると自負しております。また、事業計画を含めた企画力にも高い評価をいただいており、従来の賃貸住宅では実現が難しかったオーナー様に合わせたプランや、ハイクオリティなデザイン・企画によって高い付加価値と競合物件との差別化を実現。オーナー様の長期安定経営に貢献いたします。

グッドデザイン賞受賞物件 ①
GOOD DESIGN AWARD 2018

H2138エイチ ニイチサンハチ

品位ある洗練された空間が
人々のコミュニティゾーンを創出する

アパレルメーカーの本工場があった敷地の有効活用のために計画された44戸からなる賃貸住宅。「間(あいだ)」をテーマに、エントランスホール前のフロントヤード、バルコニー、ファサードを活用し、街と賃貸住宅の居住者の間に、かつての問屋街にあった建築と街の双方向な関係を創ることを意図しました。

木のぬくもりを感じるエントランス
バルコニーにはスチール製のパンチパネル「有孔折板」を配置。プライバシーを守りながら採光・通風に配慮
グッドデザイン賞審査委員の
評価コメント

立地するエリアと住居との関係、住まう人との関係を築く上で、建築の目的や場所を定義づけることに加えて、「間」というテーマに基づいた「余白」性によって補っていくという考え方が興味深い。特に、エントランスは一般的には閉じた場としがちなところを、ホール前にフロントヤードを設けることで外へと開かれた環境を実現している点などが優れている。

  • 敷地面積/411.13㎡(124.36坪)
  • 建築面積/298.15㎡(90.15坪)
  • 構造/鉄筋コンクリート造12階建
  • 戸数/全44戸
グッドデザイン賞受賞物件 ②
GOOD DESIGN AWARD 2018

Félicitéフェリシテ

様々なフレームを合わせて
人と街をつなぐ

ボックス状のデザインを、建築から家具までを貫くモチーフとして展開。複数に分割されたボリュームが近接する建物との関係を調整し、ボックス状の家具ツールによって共用部から住戸のインテリアに至るまで連続的に現れる空間が、人と建築をつなげる媒体となっています。

モノトーンを基調とする洗練されたエントランス。右奥にボックス型収納を配置
モデルルームのリビングと寝室。リビング・ダイニングをボックス型収納で仕切ればおしゃれなインテリア空間に
グッドデザイン賞審査委員の
評価コメント

ボリュームをずらすことで全体のスケールを抑えて、周辺環境に馴染んだスケールを作り出している。外観はシンプルに整理されており、プランも汎用性が高い。居住者の多様なライフスタイルに貢献するカスタムストレージと呼ばれる家具の提案も面白い。シンプルな間取りの中で、この家具が有効に機能すると推測される。

  • 敷地面積/430.25㎡(130.15坪)
  • 建築面積/271.60 ㎡(82.16坪)
  • 構造/壁式鉄筋コンクリート造5階建
  • 戸数/賃貸22戸、居宅2戸

ONE POINT!

生和コーポレーション
営業企画部
クリエイティブ・ディレクター 大坂 正弘

「デザイン」という視点から見る賃貸マンション

「産業デザイン」 の視点からみて、住宅産業には街を創る使命と責務があります。ボリューム感のあるマンションは地域環境に与える影響が大きく、大都市では新築住戸の過半数近くを占めていることもあり、建設会社が社会的自覚なしに動くことは許されません。逆に言えば、建設会社の行動次第で、街や環境、景観を望ましい方向に導くことができるのです。
「街は個の集積、個から変われば街も変わる」。我々の賃貸マンション事業もその積み上げです。街の景観を創り出す様々なデザインが、地域の評価、人々の穏やかな暮らしを高めることになります。それが、賃貸マンションの価値を高める「デザイン」なのです。

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

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会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
0120-800-312

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