建築費の上昇傾向が鈍った今が「建て時」

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SPECIAL FEATURE
建築コストアップのリスク低減のために

建築費の上昇傾向が鈍った今が「建て時」

建築資材や人材費の値下がりが期待できないからこそ、タイミングが大切

オリンピック特需などが押し上げる建築費

東北の震災以降も続いた建築費の上昇

建築物価調査会の調べによると、2011年から2015年にかけての建築費は上昇基調にあります。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、建設需要は旺盛です。こうした状況では資材の高騰だけでなく、建築に携わる職人の人件費の上昇なども、建築費を押し上げていると言えます。

巷では「家賃年収1,000万円を超えたら」「部屋数30戸以上」など、法人化の基準についていろいろな説が飛び交っていますが、これらは必ずしも正しくありません。なぜなら、家賃収入が大きくなっても、経費がたくさんかかって利益が出ていないようであれば、法人化をするメリットが小さいからです。また、そもそも人によって法人化のタイミングは変わってくるものです。いずれにしても、「利益があまり出ていないので法人化で改善を」という安易な発想はいただけません。

建設労働者の不足で人件費は上昇

全国建設業協会のデータによると、東京都の場合2015年の特殊作業員の1日あたりの直接労務費は22,000円、普通作業員は19,200円です。こちらも2011年に比べると上昇しているということが示されています。(下表)

これには、バブルの崩壊やリーマンショックによる建設労働者の減少が影響しています。バブル以降の不況による建築業界の仕事の減少に伴い、建設労働者は徐々に減り始めました。特に2008年のリーマンショック以降は急激に落ち込み、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、現在は約500万人にまで減少しました。

人件費の下降を待つのは得策とは言えない

現在、オリンピックに向けた公共工事の増加や、震災関連の復旧工事により、建設業の需要が拡大しています。しかしこの約20年間で減少した建設労働者数は十分に戻っておらず、急な需要拡大に対応できていません。需要に供給が追いついていない状況が、昨今の労務費高騰の原因の一つとなっています。

需要が拡大しても、高い技術を持つ技術工をすぐ増やすというのは困難です。いったん途絶えてしまった技術の継承や人材の育成には時間がかかりますので、労働者不足による人件費高騰は当分解消されないでしょう。マンションの場合、建設コストの3〜4割を労務費が占めているとされるため、建築を先延ばしにするメリットはないと考えられます。

建築資材価格の高止まりを考慮した判断が必要

東京都の建築資材物価指数を例に取ると、2010年4月の値を基準にした場合、2014年4月の物価指数は数ポイントの上昇となっています。セメントや鋼材など、ビル・マンション用の建築資材の価格は上下を繰り返すものですが、最終的には高い水準で推移しているのが現状です。

この背景には、震災の復興需要に加え、オリンピックも影響していると考えられます。オリンピックに向けた大型施設の建設、インフラの整備などに必要な建築資材の需要は一気に増加。特に、主要建築資材であるセメントとH形鋼の市場価格の上昇は顕著です。セメントはコンクリートの原料となるもの、H形鋼はビルやマンションの骨組みとして広く使われている鋼材です。

建築費の上昇が一息ついた今がチャンス

落ち着きを見せる建築費ローン金利も史上最低水準

建築費は、2015年に比べ2016年の3月時点でマイナス2ポイントと、若干の落ち着きが感じられます。

住宅ローン金利の低下傾向も、賃貸住宅建設を考えている人にとってプラス材料です。平成28年度の住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の賃貸住宅融資を例に取ると、「金利35年固定、繰上げ返済制限制度利用あり」の場合、1%台前半というかつてない低金利で推移しています。

アベノミクスによって経済が強い回復を見せるようであれば、デフレ脱却の進行と建設需要が相まって、建築費が上昇に転じる可能性もあります。建築費は賃貸住宅経営の事業収支に大きな影響を及ぼしますので、賃貸住宅の建設やリノベーションを行う場合には施工のタイミングが大変重要であり、経済動向を慎重に見極める必要があります。

消費税引き上げの延期で一息ついた施主

景気の状況を見ながら段階的な引き上げが検討されていた消費税。当初は2015年10月に10%へと引き上げられる予定でしたが、2017年4月に延期。さらに安倍首相は、2019年10月まで延期することを正式に表明しました。さらに2年半の延期ということになります。もし消費増税が実施されれば、建築を発注する側にはさらなる負担増となるところでした。

建築の契約は消費増税前に

消費税が上がる前に建築の契約を済ませておくのがベターであることは言うまでもありません。

とはいえ、商談を開始してから契約までには最低でも2カ月程度はかかりますから、消費増税前にあわてて建築契約を結ぶというのは現実的ではありません。増税前に駆け込み的な建築契約が増えて、建設会社が万全の対応を取れなくなる可能性もあります。

一生のうちに何度もできない高額な取引ですから、じっくり時間をかけるべきですが、建築契約が遅くなると現在落ち着いている建築費が上昇に転じるリスクも高まります。まずは早めのスタート、これが肝心と言えそうです。

ONE POINT!

生和コーポレーション株式会社
東日本本社 工事部 購買課
次長 宮崎 秀雄

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当社では賃貸住宅で使用される住宅設備において、品質にこだわりながらも仕入れ価格を抑え、オーナー様に利益を還元できるように工夫をしております。お陰様で当社は累計着工戸数78,633戸の実績を積み、毎年多くの住宅設備を発注しております。発注の際は指定の業者より一括で大量に仕入れを行うため、競争力のある価格での仕入れを実現しております。さらに、設備は分譲マンションでも採用されるような一流メーカー品を多数使用し、価格を抑えつつも質の良い賃貸空間を提供できるよう工夫しております。住宅設備の価格は為替や建築需要、または素材価格の動向など様々な要因で決まってきます。こうした中で安定して設備の仕入れを行えるのも、確かな実績がある生和コーポレーションの強みです。※2016年6月末時点

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東京オリンピックの開催に向けて1963年に建設されたもので、体育館の設計は丹下健三氏が担当。第一体育館は2本、第二体育館は1本の柱から屋根を吊り下げる構造で、屋根はダイナミックかつ優雅な曲線を描き、丹下氏の代表作の一つとされています。内部に柱がない設計は、観客を競技に集中させるために行われたとのこと。スポーツだけでなく、コンサートやイベントの会場としても利用され、多くの人に親しまれています。2020年に行われる次回のオリンピックでも使用されることが決まっており、2017年春から2018年度末までの間、耐震改修工事などが行われることになっています。

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