不動産・マンション建築の消費税還付について

賃貸マンションを建築する際に支払う建築費には、消費税が含まれています。
この記事では、この賃貸マンションを建築にかかる消費税とその還付制度である消費税還付について説明します。

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消費税還付の基本的な仕組み

ある小売店がメーカーから品物を仕入れる際に消費税を支払います。
これを仮払消費税と言います。
そして小売店が同じ品物を一般消費者に販売する場合、消費者から受け取るものを仮受消費税と言います。
小売店は、消費者から受け取った仮受消費税のうち、既に支払った仮払消費税分を除いた差額を納税すればよいことになっています。

【納税額=仮受消費税-仮払消費税】

ところが販売不振などで、仕入額よりも安く販売せざるを得ないことがあります。
その場合、仮払消費税額の方が多くなり、上記の計算式はマイナスになります。
このような時、そのマイナス分は国から還付してもらうことができるのです。

通常であれば前述のとおりなのですが、賃貸マンション建築の場合は注意点があります。
建築費用に消費税は含まれますが、家賃収入は「非課税売上」とされ消費税の対象外となり、還付の対象ではありません。さらに、後述する2020年度の税制改正大綱において、居住用賃貸不動産において消費税還付を受けることはできないという旨の内容が盛り込まれました。

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不動産投資の消費税還付への税制改正による影響

不動産投資に影響する消費税の税制改正の流れをみていきましょう。大規模なものとしては平成22年度と平成28年度の改正、そして、2019年12月に発表された2020年度税制改正大綱があります。
税制改正の背景として、以前よりマンションを建設してもすぐには非課税の家賃収入を発生させず、自販機を設置して課税収入を得るなど、簡単に消費税の還付を受けるマンションオーナー様が増加したことがあげられます。そのため、どの改正も大きな目的として、マンションの建設費用にかかる消費税の還付を封じ込めることにありました。

まず平成22年度の税制改正では、消費税課税事業者となってから2年以内に不動産(調整対象固定資産)を購入・新築した場合には、その後3年間は免税事業者・簡易課税へ変更することができないという措置をとりました。この改正によってマンションオーナー様は消費税の還付を受けても、課税売上割合が著しく変動したときの調整という制度の適用を受けることになり、還付された消費税を3年後には調整金として納めなければならなくなり、還付金を受けるメリットが減少しました。ところが、この平成22年度の税制改正後も法の解釈を巡り、相変わらず消費税の還付金を受け取るマンションオーナー様は数多くいました。そこで平成22年度の税制改正をより厳しくして、消費税還付金を受けにくくしたのが平成28年度の税制改正というわけです。
そして2020年度の税制改正大綱において、居住用賃貸建物については、仕入税額控除制度の適用を認めないという見直しが行われました。これによって、賃貸マンションなどの居住用賃貸建物での消費税還付が受けられないこととなりました。

消費税の還付の基本的な仕組みと、それにまつわる税制改正について紹介いたしました。居住用のアパートマンションの賃貸経営において還付を受けとることは困難なのが現状となっています。詳細な内容については税理士などの専門家に確認されることをお勧めします。なお、本記事の内容については一般的なものを取り上げております。