相続税対策としての不動産鑑定評価を考える

土地や建物に関するコンサルティングカンパニーSEIWAから土地オーナーの皆様の今後をサポートする情報を毎月お届けする「生和ジャーナル」vol46

SPECIAL FEATURE
貴方の土地の評価額は高すぎる?

相続税対策としての不動産鑑定評価を考える

マイナス要因がある土地の評価額を下げることが節税につながる

評価減の可能性を探る不動産鑑定評価

不動産の「時価」によって大幅な節税も可能

 不動産の鑑定評価とは、「不動産(土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利)の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」です。 不動産の鑑定評価は、国土交通省または都道府県に登録されている不動産鑑定業者のみが行えます。そして、国土交通省に登録されている不動産鑑定士のみが、不動産鑑定業者の業務に関わり、不動産の鑑定評価を行うことができます。

 相続税法は相続財産を時価で評価すると定めていますが、相続財産である不動産を不動産鑑定士が鑑定した結果、相続税路線価に基づく価格よりも不動産鑑定評価額が低くなることがあります。この場合、不動産鑑定評価額を採用して相続税申告することにより、大幅に節税できる可能性があります。

不動産鑑定評価は3つの方式を併用

 鑑定評価方式の適用にあたっては、原則として原価法、取引事例比較法、収益還元法の3方式を併用しなければなりません。

原価法

価格時点(不動産の価格判定の基準日)における対象不動産の再調達原価を求め、再調達原価について減価修正を行い、対象不動産の資産価格を求める手法。この手法による試算価格を積算価格という。

取引事例比較法

適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて特殊な事情を考慮した「事情補正」および、相場の変動などを考慮した「時点修正」を行う。かつ地域要因の比較と個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量して対象不動産の試算価値を求める手法。特殊な事情の事例でも事情補正することが可能であれば取引事例として選択することができるが、投機的取引など適正さを欠く事例は選択できない。この手法による試算価格を比準価格という。

収益還元法

対象不動産が将来生み出すと期待される純利益の現在価値(将来発生する価値を現時点での価値に直したもの)の総和を求めて、対象不動産の試算価値を求める手法。この手法による試算価格を収益価格という。一期間の純収益を還元利回りで還元するのが直接還元法。連続する複数の期間に発生する純利益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計するDCF法もある。

健在なうちにやっておきたい不動産の評価

不動産鑑定評価が相続絡みで有用となるケース

 相続に備えて必要となるのが、資産の種類に応じた評価。不動産鑑定評価は以下のような場合に有用です。

  • ・関係者間における売買のため
  • ・財産評価基本通達による評価が実勢価格よりも高い場合
  • ・担保価値の把握のため
  • ・賃料訴訟のため
  • ・相続税申告における時価算定のため
  • ・賃貸等不動産の時価算定のため
  • ・相続財産の時価算定のため
  • ・立ち退き交渉のため

相続対策の際に必要となるケース

  相続対策を検討される際に、ご所有の不動産の処分、あるいは活用などを巡って不動産鑑定士などの専門家の査定や相談が有用となるケースがあります。不動産鑑定士は土地の最有効使用を想定して不動産を鑑定しますが、売却する場合の実勢価格、相続を行う際の相続評価額など、場合に応じてお客様が最適な手段を講じるための提案を行うことができます。

実際に相続評価額が下がった例も

 相続税の申告の場合、路線価が基準とされますが、路線価評価で算定した価格が時価を大幅に上回る場合には、その土地の個別性を考慮した不動産鑑定による価格が適用されます。その結果、路線価評価で5,500万円の土地が鑑定評価で評価額が1,600万円、同じく9,000万円が2,000万円に評価引き下げといったケースもありえるのです。
基本となる税務通達に準じて機械的に評価するのではなく、不動産の本来の使われ方の実態や特徴を精査することによって評価額を下げられるケースもあります。とりわけ、ご所有の不動産が特殊である場合などは、土地活用の専門会社などへのご相談が有効といえるでしょう。

ONE POINT!

天野 幸治

生和コーポレーション株式会社
不動産開発室 課長
不動産鑑定士 天野 幸治

不動産鑑定評価により節税効果が高まる一例

昨年の相続税改正を受け、従来に比べ相続税納付者が増加していることは周知のとおりです。相続税財産のうち、相続税の支払いに一番影響を及ぼす相続資産は、やはり何と言っても「不動産資産」です。この不動産資産は、専門家である不動産鑑定士による不動産鑑定評価により、通常税理士が申告する不動産資産価値を引き下げることが可能。結果的に節税効果を狙える有用な手段の一つである事を示唆しています。掲載の不動産評価事例の中で特にお勧めなのは、一定のまとまった整形の広大地を、不整形地(旗竿状地)と整形地に二分割し、一部不整形減価を施すことにより通常の整形地の広大地評価に比べ、より大きな評価減の効果を狙うケースです。さらに対象地に土地活用をすることにより土地自体の評価が不整形減価+「貸家建付地の評価」となり、節税効果が更に高まることは言うまでもありません。

賃貸住宅建設の
トレンドを知る一冊

不動産の価格がわかる本

『不動産の価格がわかる本』
大和不動産鑑定著

不動産で収益向上を目指す実務者向けの内容で、価格評価の基本や市場サイクルが理解できる。資産評価を手がけるプロ集団が、各種不動産の特徴や価格評価手法をまとめている。(3,456円)

▸問合せ 日経BP社
https://www.nikkeibp.co.jp/

相続の現場から見た! 特殊な土地の財産評価

『相続の現場から見た! 特殊な土地の財産評価』
佐藤 健一・小林 登著

相続の場面に資する不動産評価について、不動産鑑定評価基準等を踏まえ、時価評価にも柔軟に対応できるよう、多くの事例を挙げて詳細に解説。物件関連資料は付録のCD-ROMに収録(4104円)

▸問合せ 法令出版
http://e-hourei.com/

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ハースト・タワー(アメリカ)

ハースト・タワー(アメリカ)

2006年、ニューヨーク市のマンハッタンに完成した、ニューヨーク市における21世紀最初のランドマークビル。ハースト・コーポレーションの新本社ビルであり、『コスモポリタン』や『エスクァイア』など、ハースト社傘下のメディアが入居しています。設計はノーマン・フォスター卿。1928年竣工の歴史的建造物を残しつつ、その上に高さ182m・46階建てのタワーを建設し、新旧を融合させた外観は存在感たっぷりです。環境持続性やエネルギー効率に配慮した設計は高く評価されており、ニューヨーク市初の「グリーンオフィスビル」に認定されました。2006年のエンポリス摩天楼賞も受賞。

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