路線価の上昇が続く今、オリンピック後の土地活用を考える

土地や建物に関するコンサルティングカンパニーSEIWAから土地オーナーの皆様の今後をサポートする情報を毎月お届けする「生和ジャーナル」vol84

SPECIAL FEATURE
2019年路線価が発表

路線価の上昇が続く今、オリンピック後の土地活用を考える

土地活用の好機だが、節税対策への目配りも忘れずに

大都市圏や人気観光地で路線価が上昇

過去4年間で最も高い上昇率

国税庁は2019年7月1日、全国の路線価(2019年1月1日現在)を発表しました。全国約32万地点の標準宅地は2018年比で1.3%のプラス。路線価の上昇は4年連続で、上昇率はこの4年で最も高くなっています(2018年は前年比0.7%)。(図1参照)

2008年のリーマン・ショック以降マイナスに転じたが、この4年間はプラスで上昇率も高くなっている。

路線価上昇の要因として考えられるのが、地方にも波及しつつある訪日客の増加や再開発など。都道府県別では19都道府県で上昇しています(2018年は18都道府県で上昇)。上昇率トップは沖縄県で8.3%。続いて東京都4.9%、宮城県4.4%。以下、福岡県・京都府・北海道と続きます。昨年に引き続き沖縄の上昇率が最も高かったのは、観光関連の需要が旺盛なのが要因と考えられます。

大都市圏や観光地とそれ以外の二極化が進行

東京以外の首都圏でも上昇率が高い傾向は継続中で、千葉県と埼玉県は1.0%、神奈川県は0.9%と、いずれも6年連続で上昇しています。

景気回復やインバウンドの増加によるホテル需要の高まりなどで、東京の路線価は上昇しました。大阪の上昇要因は「おおさか東線」の全線開業。昨年11月に2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開催が決まった湾岸部も注目されています。名古屋では商業施設や大型マンションの建設が路線価を押し上げました。(図2参照)

路線価のトップは銀座の「鳩居堂前」。3年連続で過去最高を更新しており、一昨年からバブル期を超えている。

一方、下落したのは27県。大都市圏や集客力のある観光地と、それ以外の地域の二極化傾向は続いています。

路線価の上昇は融資条件や相続税に影響

路線価には今回発表された「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2つがあります。単に路線価という場合は前者を指し、相続税などの算定基準となります。固定資産税路線価が発表されるのは3年に1度で、前回の発表は2018年でした。

路線価の上昇は、土地の担保力のアップにつながります。担保評価を重視する金融機関から、融資額の増大や融資条件の改善といった有利な条件を引き出すことも期待できるでしょう。

一方で、路線価の上昇は相続税評価額がアップするという側面もあります。土地にかかる固定資産税評価額も上昇しますので、節税対策を講じる必要も出てくるでしょう。

相続税路線価と固定資産税路線価

相続税路線価

相続税や贈与税の算定基準となる土地評価額。主な道路に面した標準的な宅地の1㎡あたりの価格のことで、毎年1月1日時点で評価したものを国税庁が発表する。国土交通省が毎年3月に出す公示価格の8割程度を目安に、売買実例や不動産鑑定士の意見なども参考に算出している。全国地価マップ(http://www.chikamap.jp/で調べるのが簡単で効率的。

固定資産税路線価

固定資産税や都市計画税・不動産取得税・登録免許税の基となるもので3年に1回、1月1日を基準日として計算される。公示価格の約7割が、固定資産税評価額になる。土地の価格が下落した場合は、見直しの年を待たずに下落修正が行われることもある。各市区町村のHPなどで公開されている。

インバウンドが牽引する路線価

外国人に人気の地域は路線価が上昇傾向

高まるマンション需要や大型の再開発などと共に、路線価上昇の要因となっているのが、訪日観光客の増加です。地方でも外国人に人気のリゾート地などでは、外国資本によるホテル建設などもあり、路線価が急上昇している例があります。

オリンピックが開催される2020年までに訪日観光客を年間4,000万人にするという目標を国が掲げていますが、これは達成されると予想されています。(図3参照)

2018年、外国人旅行者数はついに3,000万人を突破した(前年比8.7%増)。2012年に比べると約3.7倍となっている。

過去、オリンピックを開催した国はいずれも観光客が増えています。東京オリンピックが開催される2020年も相当な数の外国人が訪れ、その後も外国人観光客が多い状況は変わらないでしょう。それに向け、インバウンド向けの宿泊施設として民泊などが増えているのはご存知のとおりです。

オリンピック後も上昇が期待できる路線価

では、オリンピック後の路線価はどうなるのでしょうか? 2011年にいったん落ち込んだ訪日観光客数は2012年から右肩上がりで、リピーター数も1,700万人を突破しています。日本は観光地としてのイメージが定着しており、今後も多くの外国人が訪れると予測されます。訪日回数が増えるほど地方を訪れる割合が高いというデータもあり、大都市圏やメジャーな観光地以外の地域が活性化して路線価が上がることも期待できます。

路線価の上昇が続く都市部などでは、土地活用がビジネスとして成立する可能性が高くなります。当社は都市部を中心に、賃貸マンションだけでなく、ホテルや民泊、テナントビルなどのビジネスプランをご提案することが可能です。税金面や融資に関するサポートも行っておりますので、ぜひご相談ください。

リピーター数は近年大きく増加。リピート回数が多い観光客ほど、地方を訪れる割合が高くなるという傾向も。

ONE POINT!

豊田 章成

日本クレアス税理士法人
税理士 豊田 章成 LONG TERM GOOD RELATION

世界が認める日本の不動産

大方の予想とおり、オリンピックを目前に控え主要都市の路線価は今年も上昇傾向、地方との二極化がさらに際立っております。それでは、オリンピック後に路線価は下がり始めるのか…判断は難しいところです。実体価値のある土地は下がることは想定しづらく、特需に合わせて再開発や整備が行われたエリアは、むしろ今後も上昇する可能性が考えられます。さらに、海外の発展都市では不動産利回り2%台というエリアが多い中、日本の土地の利回りと安心感は『優秀な財産』として世界中の投資市場で頻繁に取引されていることも事実です。このような変化の中、これからの不動産投資に大事なのは
①不動産の本質を見抜く力をつけること
②その時々にあった不動産の活用方法を見直すこと

だと思います。30〜50年先に後悔しないよう、先を見据えた土地活用を、ぜひ一緒に考えていきましょう。

地価に影響を及ぼす
再開発などの情報をまとめた本

東京大改造マップ2019-20XX

『東京大改造マップ2019-20XX』
日経アーキテクチュア編集

東京の大改造事情をリポートする好評シリーズ。東京五輪を機とする様々な拠点およびインフラの整備、大規模な都市再生プロジェクトなどを詳細にレポート。(1296円)

▸問合せ 日経BP
https://www.nikkeibp.co.jp/

万博&カジノ・リゾートで<br />
街・暮らし・交通網が激変する!<br />
2025年 大阪・関西圏 未来予想図

『万博&カジノ・リゾートで
街・暮らし・交通網が激変する!
2025年 大阪・関西圏 未来予想図』

大規模再開発と鉄道網整備で激変する大阪。万博開催、IR招致、インバウンド特需で変貌する大阪・関西圏の姿を大胆予測し、CGや未来MAPを駆使して徹底解説する。(1404円)

▸問合せ 洋泉社
https://www.yosensha.co.jp/

世界の有名な建築物をご紹介します!

ロンシャンの礼拝堂(フランス)

ロンシャンの礼拝堂(フランス)

ル・コルビュジエが設計して1955年に竣工した、フランス東部フランシュ・コンテ地方のロンシャンにある礼拝堂。鉄筋コンクリート造にスタッコで仕上げられた白くて分厚い曲面の壁と、シェル(貝殻)構造を採用した曲面を描く薄い屋根が象徴的で、ル・コルビュジエが追求してきた機能的かつ合理的なモダニズム建築とはかけ離れた印象を与えます。壁にはランダムな配置の開口部があり、そこから差し込む幾条もの光が神秘的な雰囲気を醸し出します。世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一つです。

他の生和ジャーナル記事を見る

  • vol80 なぜマンション経営が相続税対策になるのか?
  • vol77 確定申告シーズン到来!改めて経費を見直す機会に
  • vol75 消費税10%が現実に!土地活用のベストタイミングは?

【無料小冊子プレゼント】お客様の声が詰まった「建築事例集」プレゼント 建築までの資金繰りは?どんなサポートが必要?経営は順調?手がけてきた建築事例をお客様の声を交えてご紹介する一冊。あなたのオーナー生活に是非ご活用ください。

5分でわかる生和コーポレーション。土地活用一筋45年の生和の強みを5分でお伝えします。