土地活用に適した立地条件とは
土地活用をどのように行うか考える上で、交通の利便性はもっとも重要な立地条件の一つといえるでしょう。交通の利便性の良し悪しによって、どのような土地活用が向いているかが大きく変わるためです。もちろん、いいというわけでありませんが、今回は、土地活用に適した立地条件の中でも最も重要な、交通の利便性に絞って解説します。
この記事の目次
土地活用を成功させるためのポイントは「立地を理解する事」と「周辺のマーケットリサーチ」
立地を理解する
先祖伝来の土地を活用するので、基本的に土地活用の立地は選べるものではありません。
人通りが多く繁華街の一等地ならば成功する公算も高く最初から勝ち組ですが、そんなラッキーな物件がその辺いたるところにあるわけではありません。
長年使っていなかった土地を活用するなら、立地について良く知らないケースもあります。
狭い土地にわざわざアパートを建てるよりは駐車場経営の方が向いていますし、のどかで広い土地なら介護施設運営という手法もあります。
土地を活用して成功を手繰り寄せるためにはまず、自分の土地について知りましょう。
周辺のマーケットリサーチ
その後で重要なのは「周辺のマーケットリサーチ」です。せっかく土地活用をしても肝心の「お客」が来なければ利益は出ません。
オーソドックスな土地活用と言えば賃貸経営や駐車場経営ですが、それでもニーズに合っていなければどんな土地活用法をしてもお客は寄ってこないのです。
周辺地域に住んでいる人は単身者かファミリー層か、単身者なら社会人か学生か、独居老人か単身女性か、その割合などを調べておくことが必要です。
ファミリー層が多いなら、ファミリータイプのマンションや、ファミレス経営などがありますし、単身者が多いならワンルームマンション、女性が多いならセキュリティが充実したマンションなど、居住する人によってニーズも変わってきます。
最寄駅にどんな施設があるか、交通の利便は良いか、駐車場は多いか、スーパーやコンビニはどれくらいあるか、人が暮らすにあたって普段から「あたりまえにあるようなもの」をしっかりチェックし、その周辺住人が何を望んでいるかを読み取りましょう。
もちろん独断でなく、その不動産業者などの専門業者と良く相談して決める事も大切です。
土地活用や経営を成功させるためにはまずその土地で何が求められているかを的確に知ることが近道です。
交通の利便性が良い場合
駅からの距離が近い土地を所有している場合は、以下のような土地活用が適していると言えるでしょう。
・賃貸住宅経営
アパートやマンションを借りる際、通勤や通学、ショッピングなどの利便性を考慮して駅から近い物件への入居を希望する人は大勢います。そのため、空室のリスクが低く、家賃も高めに設定することができるなど、賃貸住宅経営に適していると言えます。
・オフィスビル経営
オフィスは通勤、顧客への訪問、顧客の来訪などを考えると、駅から近く、交通の便がいい場所に構えた方が好都合です。そのため、オフィスビルの経営にも適しています。
・商業施設経営
駅の周辺は、通勤や通学などのために人が多く集まるため、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食店、遊技場などをテナントとして賃貸する不動産・ビル経営にも適しています。町の活性化にも繋がるビジネスモデルです。
駅から遠い場合でも、幹線道路からのアクセスが良い場合は、以下のような土地活用が視野に入ります。
・商業施設経営
車で移動する人向けのショッピングセンターや飲食店、遊技場などの郊外型の商業施設をテナントとしたビル経営に適しています。
・物流施設経営
荷物を保管する物流施設は、車のアクセスが最重要なので、土地の広さに応じてトランクルーム・倉庫などの施設の経営が適しています。
交通の利便性が悪い場合
駅からの距離が遠く交通の利便性が悪い土地を所有している場合は、近い場合と比較すると選択肢は少なくなりますが、以下のような土地活用が適しています。
介護系施設経営……比較的大きめの土地を必要とする高齢者の介護系施設や高齢者住宅は、駅に近く地価の高い場所では、土地の価格と収益採算性の観点から、事業に向いていない場合があります。そのため、駅から少し離れていても、まとまった土地が利用できる場所に建設されます。介護系施設や高齢者住宅は、今後ますます需要が高まっていくため、駅からの距離が遠い土地を安定的に活用していくためには適していると言えます。また、運営側が送迎を行うデイサービスの経営も選択肢としてあげられます。
上記以外にも交通の利便性の観点から、検討可能な土地活用の方法がいくつもあります。
また、郊外の住宅地や、学校や工場などの施設があり人の往来がある場所には、コンビニエンスストアや飲食店などの商業施設をテナントとするビル経営や医療系施設をテナントとする不動産経営が適している可能性があります。
以上のように土地活用を実行する場合は、所有する土地が持つ利点や欠点をよく見極めて決定することが大切です。
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自分の判断では難しいと感じたら、不動産業者を活用しよう
マーケットリサーチや土地の適切な活用手法の検討については、膨大な時間と手間がかかるため億劫ですし、判断も主観的になりがちです。土地活用を成功させるには、余程のノウハウと自信がない限りは、客観的かつ冷静に判断するためにも不動産業者などのプロを活用した方が良いでしょう。土地活用も企業経営と同じで、何でも自分でやろうとせずに、人を上手に頼った方がよりよい結果を早く得られるものなのです。