定期借地による土地活用のメリット・デメリットとは?

定期借地による土地活用のメリット・デメリットとは?

定期借地による土地活用のメリット・デメリットとは?

土地活用法を検討するなかで、「定期借地」という言葉を初めて耳にした方も多いでしょう。「定期借地権」を設定して、ある一定の期間で土地を貸し出す土地活用法を、不動産業界では「定期借地」と呼んでいます。

日常生活で目にするコンビニや飲食店、病院、倉庫、さらにショッピングモールやアウトレットモールなども、企業が定期借地契約をして土地を借りていることが少なくありません。

定期借地の場合、建物の建築や運用は借主が行なうため、土地のオーナー様には経営にかかる労力や金銭的コストが不要というメリットがあります。

一方で、マンションやテナントビルなどの土地活用法に比べると、収益が上がりにくいのも事実です。

この記事では、定期借地による土地活用法の特徴をメリットやデメリット、活用事例も踏まえて詳しく解説します。

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そもそも借地権とは?定期借地権の特徴

そもそも借地権とは、賃貸借契約に基づき、土地の借主が土地を利用できる権利のことです。借主は借地権を得ることで、土地に建物を建設・所有し、活用することが可能となります。

借地権は「普通借地権」と「定期借地権」に大きく分類されます。普通借地権では契約満了時に更新がありますが、定期借地権は原則として契約の更新がありません。

借地権における「契約更新」の考え方

一般的に「契約期間が終われば、賃貸借契約は自動的に終了するのでは?」と考える方も多いでしょう。しかし、土地の賃貸借では例外で「土地に建物がある場合、契約は自動的に更新される」という原則があるのです。

土地のオーナー様が賃貸借契約の更新を拒否するには、正当な事由が必要であり、場合によっては裁判官の判断を仰ぐ必要も出てきます。

つまり、普通借地権による土地の賃貸借契約では、契約期間の満了を迎えたとしても、土地のオーナー様の「契約を更新しない」という意向が認められにくいのです。

これは、借主が突然の立ち退きや土地の明け渡しの要求をされないよう、借主の権利をより強く保護する制度が作られているためです。しかし、貸主である土地のオーナー様にとっては、土地が返還されにくく不利な制度といえるでしょう。

定期借地権は土地のオーナー様の権利が守られやすい借地権

定期借地権は、1992年に施行された比較的新しい法律により定められています。「定期」とあるように、契約期間が定められた借地権であり、土地のオーナー様が契約を終える場合に正当な事由が必要ありません。そのため、契約期間が満了することで確実に土地が戻ってきます。

定期借地権ができたことにより、これまで土地のオーナー様が土地を貸す際に抱えていた、土地が返ってこないリスクを避けられるようになりました。

まずは、定期借地権が普通借地権と比べて、土地のオーナー様の権利が守られやすい借地権であることを理解しておきましょう。

定期借地による土地活用のメリット

定期借地には、土地が確実に戻ってくるほかにも、初期費用がかからない、税の負担を軽減できる可能性があるというメリットがあります。これら3つのメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

土地を確実に手元に残せる

定期借地では契約が更新されないため、土地のオーナー様は契約満了時に土地を手元に戻すことが可能です。

実は普通借地権での賃貸借契約では、契約満了時に借主とトラブルにより、土地のオーナー様が立退料を支払う、裁判が必要になるケースも少なくありません。

借主とのトラブルを避けられる点は、定期借地の大きなメリットといえるでしょう。

借り入れが不要

定期借地は、土地のオーナー様が借り入れなしで始められる土地活用の一つです。

アパートやマンション、テナント経営などの土地活用法では、多くのオーナー様が建物の建設のために金融機関から借り入れを行ないますが、定期借地では土地を貸し出すだけで賃料を得られます。

実際に土地を利用し、建物を建築するのは借主であり、土地のオーナー様の金銭的な負担は不要です。

ただし、所有地の状況によっては、土地を貸し出すにあたって造成や整備が必要となることもあるでしょう。その際は、一時金を充当することで費用をまかなう方法があります。

定期借地における一時金とは、賃貸借契約時に受け取れる敷金や保証金、権利金のことです。前払地代として、地代の一部を前払いしてもらう方法もあります。

相続税対策になる場合も

定期借地として貸し出す土地が、建物の敷地のために使われる「宅地」の場合には、相続人の税負担を軽減できるというメリットもあります。

宅地の定期借地の場合、相続税の課税時期における残存期間に応じて、土地の評価額が5%~20%ほど控除されます。定期借地権のなかでも、一般定期借地権を設定している場合は、土地の評価額が55%~75%ほど軽減されることもあります。

このように、定期借地の土地活用は土地を未活用のまま相続する場合に比べて、相続税を大幅に抑えられる可能性があるといえるでしょう。

固定資産税の負担を減らせる

土地を所有する限り、固定資産税や都市計画税が課税されます。ただし、定期借地で土地活用することで長期的に土地の賃料が得られ、結果として税金分の支出をまかなうことが可能です。

さらに、土地が宅地として活用されていると、固定資産税や都市計画税が軽減される制度もあります。

例えば、借主が借地にマンションを建設した場合、固定資産税と都市計画税の軽減措置が適用されます。小規模宅用地と呼ばれる200平方メートル以下の住宅用地の部分は、固定資産税が1/6、都市計画税が1/3、それ以上の範囲でも固定資産税が1/3、都市計画税が2/3まで軽減されるのです。

定期借地による土地活用のデメリット

定期借地は土地のオーナー様の権利が守られ、長期的に安定した収益が得られる土地活用です。しかし、土地が拘束される期間が長い、高い収益が得にくいというデメリットがあることも知っておきましょう。

土地の拘束期間が長い

定期借地権による契約は、場合によっては50年以上の長期にわたります。契約期間が長いということは、収益が長期で安定する反面、その期間中は土地を他の用途に使えないというデメリットも含んでいます。

例えば、50年の定期借地契約を結んでいた場合、契約期間の途中で他に収益性が高く魅力的な土地活用法を見つけたとしても、契約が終わる日まで待つしかありません。定期借地には、高い収益を得る機会を失う可能性があるのです。

大きな収益は期待できない可能性も

定期借地はローリスクローリターン、つまりリスクが低く、高い収益が見込まれにくい土地活用法といわれています。

定期借地による土地活用は、マンションやアパートで賃貸経営を行なう場合と比べて、賃料の水準が低いことが一般的です。定期借地での賃料の目安は、土地の固定資産税評価額の2%~7%程度といわれています。

例えば、土地の固定資産税評価額が2億円、賃料が2%の場合、年間の賃料は400万円です。月々約33万円の収入となり、一見すると十分な額に思えるかもしれませんが、ここから固定資産税や都市計画税の支出が発生します。

定期借地では収支がマイナスにはなりません。しかし、他の土地活用法のほうがより高い収益を望める可能性が大いにあります。
とはいえ、どうしてもアパートやマンションなどの収益性の高い活用法に向かない土地も存在します。その場合は、店舗や工場、倉庫など借り手によって土地活用の幅が広い定期借地が適していることもあるでしょう。

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定期借地権の種類と活用事例

定期借地権は「一般定期借地権」「事業用定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」に分けられます。実際に賃貸借契約を結ぶ際には、借主とのトラブルを防ぎ、安定した土地活用を行なうためにも、これら3つの違いを理解しておく必要があります。

ここでは、それぞれの種類のメリット・デメリットと、実際の活用事例を見ていきましょう。

一般定期借地権 事業用定期借地権 建物譲渡特約付借地権
契約存続期間 50年以上 10年以上50年未満 30年以上
利用の目的 制限なし 事業用 制限なし
特徴 ・契約の更新や延長がない ・契約満了時には更地で土地が返還される ・建物の買い取り請求をされない ・借地権設定から30年以上経過後、借地上の建物を買い取ることによって借地権を消滅できる ・一般定期借地権や事業用定期借地権に対して付加できる

一般定期借地権

50年以上の契約期間を設定し、契約の延長や更新をせずに、土地が更地でオーナー様に返還されるよう定められた借地権です。土地のオーナー様には建物を買い取る義務がなく、契約満了時に解体費用がかかる場合は、借主が負担します。

一般定期借地権は用途に制限がないこともあり、借地権のなかでも最も活用されています。実際には、戸建て住宅や大型の分譲マンションなど、居住用として使われることが多い借地権です。

借主が急な立ち退き要求などから保護されるだけではなく、オーナー様が土地を取り戻す権利も守られるため、50年以上という長期でも安心して土地を貸し出せるでしょう。

一方で、長い期間土地を貸し出すことには変わりないため、土地活用を考えるスパンとしては長すぎるという懸念点があります。

他の土地活用法に変更ができないことや、契約満了前に相続が必要になる可能性なども、考慮しなければなりません。

事業用定期借地権

「事業」とあるとおり、居住用以外での利用を目的として、10年以上50年未満の期間で設定できる借地権です。一般定期借地権と同様に契約の延長や更新はなく、土地の返還時に建物を買い取る義務もありません。

使用例としては、コンビニや飲食店などのロードサイド店舗、工場、倉庫、ショッピングモールなどが挙げられます。最近では、高齢化により需要が高まっている医療施設や介護施設でも使用されています。

事業用定期借地権の大きな魅力は、一般定期借地権に比べて高い賃料を設定しやすい点です。土地が幹線道路沿いや人通りが多い立地であれば、借り手も見つかりやすいでしょう。

ただし、建物の大きさ・種類が制限される「用途地域」の規制や立地条件によっては、そもそも事業用地として適さないこともあります。

建物譲渡特約付借地権

定期借地権では、借主が土地を更地にして返還することが原則です。ただし、建物譲渡特約付借地権であれば、土地のオーナー様が建物を買い取る特約を設けることが可能です。一般定期借地権や30年以上の事業用定期借地権に付加できます。

建物譲渡特約付借地権では、借地権設定から30年以上経過した日に、土地のオーナー様が借主から借地上の建物を相当の対価で買い取ることを特約とします。土地のオーナー様が買い取った時点で借地権は消滅、つまりオーナー様に土地が戻ってくるのです。

また、建物の状況が良くない、維持管理できていないなどの理由で、土地のオーナー様が買い取りをしない選択も可能です。その場合は、一般定期借地権または事業用定期借地権の契約が満了するまで借地権は継続されます。

なお、マンションで使用されるケースがありますが、実際の活用事例は多くありません。将来的に土地のオーナー様のもとに土地と建物の権利を移せるため、マンションを建て替える際の手続きがスムーズに進むといわれています。

ただし、古い建物を買い取らなければ借地権は消滅しないため、土地のオーナー様としては利点が少ないと感じる方も多いでしょう。

定期借地権の設定方法

定期借地権を設定する方法は、借地借家法によって定められています。実際の書面作成や手続きに関しては一般的に仲介業者が行ないますが、借地権ごとに設定方法が異なることを知っておきましょう。

【借地権の設定方法】
一般定期借地権 公正証書などの書面による契約が必要
事業用定期借地権 公正証書による契約が必要
建物譲渡特約付借地権 口頭でも可(書面による契約が望ましい)

定期借地権では、契約の更新や契約存続期間の延長をしない旨を書面に記載し、賃貸借契約を結びます。なかでも事業用定期借地権では、必ず「公正証書」によって契約を結ばなければなりません。

公正証書とは、公平な立場の公証人が、法的な検討を加えて作成した公文書です。公証人は、高度な法的知識と経験を持つ公証事務担当の公務員で、法務大臣によって任命されます。

公正証書は一般的な契約書以上に強い効力を持っており、万が一、公正証書に記載された約束が守られない場合は、裁判所の判決がなくとも差し押さえまでできることもあります。

事業用定期借地権による契約を公正証書で行なわなかった場合、契約期間が終わっても土地が返還されないといったトラブルを引き起こす可能性もあるため注意しましょう。

建物譲渡特約付借地権の付加については、書面で契約を交わす義務はなく、口頭での約束でも問題ないとされています。しかし、最低でも30年以上の契約であることから、トラブルを防ぐためにも書面による契約を交わすほうがよいでしょう。

まとめ

定期借地は、初期費用が不要で金銭的なリスクが低い土地活用法です。一方で、土地の拘束期間が長い、一般的にリターンが多くないといったデメリットも存在します。

定期借地による土地活用は事業としてマイナスにはなりませんが、オーナー様としては望むだけの満足な収益が上がらないこともあるでしょう。人通りが多い立地や居住地として需要のある立地では、マンションやオフィスビルを建設したほうが高い収益が上げられることも少なくありません。

よりメリットのある土地活用を行なうためにも、マンションやアパート経営など、他の土地活用法と比較し検討することをおすすめします。

生和コーポレーションなら、所有地が定期借地に向いているのか、最適な事業はどれなのかなど、51年の土地活用の経験と専門的な知識によるアドバイスが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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会社名
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所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
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1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
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