「事業用定期借地権」を利用した土地活用を解説!

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SPECIAL FEATURE
ロードサイドでの事業を考える

「事業用定期借地権」を利用した土地活用を解説!

マンション経営に向かない土地でも、低リスクでの活用チャンスあり

事業用定期借地で低リスクの土地活用

居住用に向かない土地を事業用として活用

「事業用定期借地権」とは、事業用に限定して貸し出しを行う権利のことです。これを利用することで、交通量の多い郊外の道に面した土地や、広いけれども公共交通機関の便が悪い土地など、居住用に向かない土地を活用できます。

事業用定期借地権の存続期間(借地期間)は10年以上50年未満と定められており、借地人は借地期間の満了時に更地にして土地を返還しなければなりません。(図1参照)

低リスクで安定した収益が期待できる

土地の所有者は事業者から地代収入を得る形になります。大きなメリットとして、土地に店舗などを建てて賃貸する方式に比べると、建物投資や借入金の事業リスクを負わずに収入を得ることができます。

年間の地代収入は土地代の3〜6%程度で、低リスクで収益性が高いのも魅力です。

所有する土地が単体では事業用として小さすぎる場合には、事業用定期借地権を隣接地にも設定することで、隣接地と一体化した土地活用が可能です。以下のようなパターンが考えられます。

  1. 異なる土地所有者がそれぞれ事業者と契約する。
  2. 土地所有者同士が借地契約を結んで土地を一体化。どちらかの土地所有者が事業者と契約する。(図2参照)

土地の評価減による相続税の軽減

定期借地権が設定されている土地は、定期借地権の残存期間に応じて一定の評価減が認められています。例えば、相続税評価額が1億円の土地を30年で貸し出し、10年経過後に相続が発生した場合、1億円×20%=2,000万円の評価減となり、相続税が軽減されます。

定期借地権の評価減
定期借地権の残存期間 評価減
15年を超えるもの 20%
10年超~15年以下 15%
5年超~10年以下 10%
5年以下 5%

なお賃貸マンションを建てた場合は、建物の相続税評価額が建築代金の60%前後となります。土地は貸家建付地という扱いになり、約20%の評価減となります。小規模宅地の特例措置の条件を満たす土地であれば、最大80%の減額となります。

事業用定期借地権のデメリット

事業用定期借地のデメリットとしては次のようなものが挙げられます。

  1. 満期まで中途解約できない
  2. 固定資産税の減税はない

事業用定期借地契約は期間の途中で解約することはできません。特約を設けて借主から中途解約を求めることはできますが、貸主側からの中途解約は認められていません。

固定資産税に関してですが、居住用の建物を建てた土地は1/6から1/3に減税される特例があるのに対し、事業用定期借地にこの特例は適用されません。住宅を取り壊して事業用定期借地にする場合はこれまであった特例が受けられなくなってしまうので、特に注意が必要です。

存続期間が延長された事業用定期借地権

従来、事業用定期借地権は存続期間(借地期間)が10年以上20年以下に限定されている点が問題でした。借地人は、借地期間の満了時に建物を取り壊して土地を返還しますが、建物の税制上の償却期間は20年を超える場合が多いので、事業者は会計上の除却損を計上しなければならなかったからです。しかし、借地借家法の改正により、2008年から事業用定期借地権の存続期間が「10年以上50年未満」に改められたので、こうした問題は解消されました。コストをかけて鉄筋コンクリート造などの耐久性の高い建物を建てても、借主・事業者が投資を回収しやすくなりました。

事業が成立する土地であることが大前提

事業用定期借地に向いている土地

居住用に向かない土地でも事業用としてなら活用が可能な場合がある、というのは確かですが、以下のような条件をクリアしていることが前提となります。

  1. 長期間使わない土地
  2. ロードサイドや商業地にある土地
  3. ある程度まとまった大きさのある土地

事業用定期借地権は、10~50年の長期に渡って事業者に土地を貸す契約です。貸主からの中途解約はできないので、長期間使う予定がない土地であることが前提になります。

事業者が借りるメリットがある土地でないと、そもそも契約が成立しません。事業用定期借地権を利用する事業として一般的なのは、コンビニエンスストアやファーストフード店、レンタルショップ、ショッピングセンター、ディスカウントストア、ゲームセンターなどですが、ロードサイドや商業地にある土地でないとこうした事業には適しません。また、介護施設、保育所が事業用定期借地を利用するケースはまれです。

郊外で上記のような事業を展開する場合、駐車場も含めると数百坪の面積が必要です。大規模ショッピングセンターやディスカウントストアなら、数千坪規模となります。100坪以下の土地は、事業用定期借地権に向かないと言っていいでしょう。(図3参照)

事業の市場性などのリサーチは必須

一口に郊外やロードサイドと言っても、交通量や他の商業圏との位置関係などはそれぞれ異なります。事業を展開するとなれば、想定される客層や競合店舗との距離、車で入店する際の導線も無視できません。

当社は、どのような事業が最適かのリサーチはもちろん、テナント会社の選定までお手伝いすることが可能です。プランニング・事業計画のご提案は無料ですので、お気軽にご相談ください。

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ONE POINT!

内田 直仁

宮城大学事業構想学群 教授
税理士 内田 直仁

低リスクがメリットの事業用定期借地権

ロードサイドに広い土地があれば、ちょっとしたショッピングモールが建つかもしれませんが、その投資額は莫大ですし、借金して建設しても途中で契約解除されたら大変です。住居と違って次の入居者を探すことも困難です。撤退しても損をしない契約で、しかも相手が倒産する恐れのない業者でない限り、リスクがつきまといます。
定期借地権の中でも、事業用定期借地権であれば高額な権利金も期待できますし、地代も駐車場より明らかに高額のようです。公正証書契約を結ぶことが条件となりますが、公正証書は裁判所の判決文に近い効力を発揮するため契約期間は守られます。契約によっては契約延長ができ、土地の返却時に建物を残させる選択も可能です。相続税の評価も空き地や駐車場より下がるので、節税にもつながります。土地活用や節税もしたいが、借金のリスクが心配な方にとって手堅い運用となりますので、一度検討してはいかがでしょうか。

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