「立地適正化計画」が土地の収益性を左右する!?
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土地や建物に関するコンサルティングカンパニーSEIWAから土地オーナーの皆様の今後をサポートする情報を毎月お届けする「生和ジャーナル」vol68

SPECIAL FEATURE
将来の人口減に向けた、都市計画の見直しが進行中

「立地適正化計画」が土地の収益性を左右する!?

すでに380超の自治体で計画中。ご所有のお土地の将来性を左右するかもしれないその中身とは?

国が主導する、都市の「立地適正化計画」

今求められているのは人口減少に備えた街づくり

今、多くの自治体で都市再生への取り組みが進められています。その一つが「立地適正化計画」。2014年8月に施行された「改正都市再生特別措置法」に基づくもので、今後の地価や人口動態を左右する要素が含まれています。

この背景にあるのが、全国的な人口減少(図1参照)。特に郊外や地方都市では、少子高齢化に対応するための街づくりが急務となっています。

市町村の税収は減る傾向にあるのに福祉予算は増大しており、インフラ設備更新の予算の捻出は困難です。人口密度が低下した地域では、わずかな世帯のためにインフラを維持していくことは難しくなってくるでしょう。

住宅を集中させ、都市の機能も集約

こうした事態に備え、住まいや公共施設、医療施設、商業施設などを狭い範囲に集めた「コンパクトな街づくり」を行い、市街地の空洞化を防ごうというのが立地適正化計画です。これによって、生活サービスや医療などの都市機能を維持することも可能になります。

立地適正化計画の対象となるのは原則として都市計画区域で、以下のものが定められます。

居住誘導区域

居住を誘導すべき区域

  • 居住誘導区域外からの移転を支援する措置などを実施。

都市機能誘導区域

医療施設、福祉施設、商業施設などの都市機能増進施設の立地を誘導すべき区域

  • 都市機能増進施設の立地を図るための事業や支援措置などを実施。
※都市機能誘導区域は、居住誘導区域内に定められる。

居住誘導区域とそれ以外の区域を線引き

現在の市街地をさらに線引きし、住宅を集中させる「居住誘導区域」を設定。その中に公共施設や学校、病院などを集約させる「都市機能誘導区域」を設定するのが立地適正化計画の骨子です。主要な駅や既存の市街地などを核にして都市機能を集め、その周辺に居住エリアを配置するというイメージです。(図2参照)

居住誘導区域は一つの市町村内に複数設定される場合もあり、それぞれの居住誘導区域内に都市機能誘導区域が設定されることになります。誘導区域外では、一定規模以上の住宅開発などを行う場合、原則として自治体に届け出る義務があります。

居住誘導区域の外側は住宅の集積を抑制

居住誘導区域の外側(市街化区域内、非線引き区域の場合は都市計画区域内)には居住調整地域を配置することができます。居住調整地域の設定は任意ですが、市街化調整区域と同様にみなすことで、居住の集積や新たな宅地化が起こらないようにし、インフラ投資も抑制しようという狙いがあります。

誘導区域かどうかが、土地の評価基準の一つに

人口が増えると予測される地域でも、土砂災害の危険性が高いところなどは居住誘導区域としないような措置が取られますし、「跡地等管理区域」「駐車場配置適正化区域」などが設定される場合もあります。

跡地等管理区域

空き地における雑草の繁茂等を防止し、良好な生活環境等を維持するため、跡地等の適正な管理を必要と定められた区域。居住誘導区域に定めることはできない

駐車場配置適正化区域(都市機能誘導区域内)

歩行者の移動上の利便性及び安全性向上のため、駐車場の配置の適正化を図るべき区域

誘導区域から外れても住宅の建替えなどは可能

立地適正化計画によって居住誘導区域に指定されなかったエリアでは、住宅開発に制限があります。具体的には、3戸以上の住宅建設や1,000㎡以上の宅地開発など、一定規模以上の行為は届け出対象となります。

居住誘導区域外でも個人宅の建替えや、自分の土地での自宅新築が制限されるわけではありません。したがって用途地域の指定も変わりませんが、今後見直される可能性はあるでしょう。

自治体の立地適正化計画をチェックしましょう

この1年ほどで、各地の立地適正化計画の作成は大きく進みました。2017年12月31日時点で、立地適正化計画に関する具体的な取り組みを行っている市町は384に上ります。(図3参照)

計画中の市区町村は国土交通省のホームページで確認できますし、誘導区域は各自治体のホームページでチェックできます。これから住宅や土地を購入する際は、立地適正化計画の内容を確認しましょう。

各都市でこの計画が実現すれば、人口の集中するエリアと減少するエリアの二極化が進むと考えられ、これは当然、地価や賃貸経営に影響を及ぼします。土地の収益性が期待できない場合は、資産の組み換えの検討も必要でしょう。

所有している土地が都市機能誘導区域から外れている場合でも、居住区域などに定められていれば地価や収益性が上がる可能性はあります。このように土地の評価は単純ではありませんので、専門家のアドバイスが必要と言えます。賃貸経営の将来性も含めて検討させていただきますので、ぜひ当社にご相談ください。

ワンポイント

フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定
グループ代表 不動産鑑定士
藤宮 浩
相続税に特化し、土地評価に強みを持つことで地主様の信頼を得ている

所有不動産の色分けを行って価格下落リスクに備える

自治体によっては市街化区域等のほぼ全域を居住誘導区域に設定しているところもありますが、中には市街化区域等に占める居住誘導区域の割合が40%程度しかない自治体もあります。その場合、不動産オーナーへの影響は大きくならざるを得ません。
お持ちの土地の将来性が著しく低いと見込まれるならば、状況の良いうちに資産の組み換えを行うのも選択肢の一つです。まず、所有不動産の棚卸しを行って、不動産を『守る土地』『有効活用する土地』『組み換え・売却を検討する土地』に色分けしましょう。組み換えの判断のポイントとしては、収益性や流動性、時価(実勢価格)よりも相続税評価額が高いことなどが挙げられます。将来かかる相続税の詳細な試算も行った上で、対策の優先順位を決めることをおすすめします。

立地適正化計画による
都市再生について学ぶための一冊

『都市縮小時代の土地利用計画』
日本建築学会編

無秩序に広がる空き地・空き家に向き合い、いかに誘導し、いかに活かすか。現状と課題を把握し、現制度のもとで可能な、具体的な対応策を含め都市計画がすべきこと、できることを提案。(4752円)

▶問合せ 学芸出版社
http://www.gakugei-pub.jp/

『ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか』
村上敦著

ドイツでは移動距離の短いまちづくりによって経済を活性化している。車の抑制、住宅地の高密度化、商業施設の集約など、ドイツのコンパクトなまちづくりのしくみを解説。(2376円)

▶問合せ 学芸出版社
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世界の有名な建築物をご紹介します!

メキシコシティ・メトロポリタン大聖堂(メキシコ)

メキシコの世界遺産「メキシコシティ歴史地区」にある、アメリカ大陸の中で最大のキリスト教建造物。16世紀にアステカ帝国を滅ぼしたスペインのエルナン・コルテスの命によって建てられました。スペインから複数の建築家を招いて建設が進められましたが、完成には約250年を要し、ゴシック、ルネサンス、バロック、新古典主義などの様式が混在しているのが特徴。聖堂内のキリスト像は「毒薬のキリスト」と呼ばれており、毒に侵された信者から毒を吸い取ったため肌が浅黒くなったと伝えられています。なお建設地は地盤が弱く、建物が傾いているため、補強作業が進められています。

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