アパート経営・マンション経営の相続税対策

アパート経営・マンション経営の相続税対策

アパート経営・マンション経営の相続税対策

現在所有している土地をご家族に相続したい方や、反対にご家族が所有する土地を相続する可能性のある方は、少しでも相続税を抑えたいとお思いでしょう。
そこで、今回は土地などの相続に関してお考えの方に向けて、相続税対策について説明していきます。

本記事のポイント
  • 2015年の税制改革により相続税が大幅に増税されたため、相続する可能性がある場合は、相続税対策をとることが急務
  • 相続税対策には「相続する財産をへらす」「相続する財産の評価額を下げる」「特例を利用する」といった対策法が存在
  • 税制改革により、贈与税は減税されたため、生前贈与を利用することも検討する

相続増税に備える

2015年から、税制改正により、相続税が大幅に増税されました。

2億円以上3億円以下と、6億円以上の相続を受ける場合の税率は、ともに5%ずつ引き上げられ、基礎控除額も縮小されます。

これにより、相続税の納税義務が生じる人が大幅に増えることが想定されており、都心部では納税対象者は倍以上になるともいわれています。

これからアパート経営・マンション経営を行い、土地や建物を相続する可能性がある場合は、相続税対策をとることが急務であると考えられます。

相続税は何も対策をしないと大きな金額が発生しますので、相続税対策が必要です。
相続税対策としては、主に以下の3つの方法が挙げられます。

1.相続する財産そのものを減らす
現金・預貯金・不動産を相続人に生前贈与することで財産を減らします。

2.相続する財産の評価額を下げる
相続する財産の評価額を下げることで、結果的に相続税を節税することができます。

3.特例などの制度を利用する
生命保険の非課税枠の活用する、法定相続人の数を増やす、配偶者の税額軽減を利用する、非課税財産を購入するなどの優遇制度や特例を利用します。

土地の評価を下げる

アパート経営・マンション経営は、有効な節税対策のひとつであると考えられています。

何もない土地にアパートやマンションが建設されていると、更地状態の場合や、マイホームを建てた場合よりも相続の際の土地の評価額が下がります。

このため、相続税の節税に効果的であると言われています。

また、土地には評価単位があり、評価単位は「地目ごと」や「自分や他人の権利の範囲ごと」に分けられます。

地目は、課税時の状況によって判定され、宅地・田・畑・山林・原野・牧場・池沼・鉱泉地・雑種地の9種に分類されます。例えば同じ人が所有する土地でも、地目が宅地と山林に分かれていれば2単位として評価されます。

さらに、同じ地目の場合でも、土地の権利ごとに評価されます。
例として、とある個人が同じ地目の土地を二つ所有しているとします。
一方は本人所有の自宅で、もう一方は本人所有の貸家の場合、権利の観点から評価単位は別になります。

次に、土地の評価方法を説明していきます。
評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」があります。

路線価とは、国税庁が公表する主要道路に面した1㎡当たりの工事土地価格を指し、路線価方式の計算式は以下のようになりますとなります。
なお、路線価は財産評価基準書(国税庁ホームページ)から調べることができます。

評価額=路線価×宅地面積㎡

そして、倍率方式は路線価が定められていない土地の評価を行う際に使用され、計算式は以下のようになります。
なお、ここで使用する倍率も路線価と同じく、財産評価基準書で確認できます。

評価額=宅地の固定資産評価額×倍率

また、大家としてアパートやマンションを建てて、それを他人に貸している土地は「貸家建付地」となり、この場合の計算式は以下のようになります。
なお、地域によって借地権割合や借家権割合は変わりますので、こちらも財産評価基準書で確認しましょう。

評価額=自己所有・自己使用の土地の評価額-自用地の評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合

このように、アパートやマンションなどの賃貸物件を建てると「貸家建付地」となり、その土地の評価額は自己所有や自己使用の自用地より下がるため、結果的に相続税対策となります。

固定資産税を軽減

なぜ、固定資産税を軽減することで相続税対策となるのでしょうか。

それは、先述の「倍率方式」で相続税の評価額を計算する場合には、固定資産税評価額をもとに算出するためです。
そのため、固定資産税評価額を下げるために固定資産税対策を行うことが、結果的に相続税対策となるのです。

それではここで、建物の固定資産税評価額の計算方法について、見ていきましょう。 建物の固定資産税評価額は、再建築にかかる費用から経年による減価分を行って評価をすることになっています。
これを計算式にすると以下のようになります。

評価額=単位当たり再建築費評点×経年減点補正率×床面積×評点一点当たりの価額

これは評価対象となる建物と同一のものをその場所に新築する場合に、必要となる建築費(再建築費評点)を求め、その建物の建築後の経過年数に応じた減価(経年減点補正率)を考慮し、その建物の価格を求めるのです。

そのため、アパートやマンションを建てた土地は、更地と比較すると、評価額がおよそ2割下がるというデータがあります。

また、建物自体の評価も、賃貸に使用されている場合は、自分の持ち家などに対しておよそ7割の評価にまで下がります。

固定資産としての評価が大幅に下がるため、結果として、相続税の減税につなげることができます。

小規模宅地の場合

宅地が小規模である場合、これを事業用地とすることで「小規模宅地の特例」という制度の適用を受けることが可能になります。

200平方メートルまでの土地は5割減の評価となり、こちらも相続税の大幅な節税につながることとなります。

なお、小規模宅地の特例の適用条件は以下になります。

1.「被相続人」又は「被相続人の生計一親族」の事業又は居住の用に供されていた宅地等(土地や借地権等も含む)であること

2.その宅地等が建物又は構築物の敷地であること

上記の適用条件を満たした上で、宅地の種類ごとに必要な適用条件があります。
さらに特例が適用される面積の上限に関しても、宅地の種類に応じて定められています。

ただし、この特例を受けられないケースもあります。
例えば、相続が開始する時から遡って3年以内に贈与された宅地や、相続時精算課税制度によって取得した宅地などは、この特例を受けることができません。

ローンで節税

アパートローンなどの借入によってアパートやマンションを購入・建設した際には、相続時点のローン残高が相続財産から差し引かれる仕組みとなっています。

ここで、アパートを建築する際に、アパートローンで4,000万円の借り入れをした場合を例に見てみましょう。
その建物の固定資産税評価額を建築費の70%とすると2,800万円となります。

そうすると資産が1,200万円減ることになり、その分の相続税は軽減されます。

このように、アパートなどの賃貸物件を建てると、その土地は「貸家建付地」となって評価が下がり、結果的に相続税が節税できます。
また、併せて小規模宅地等の評価減の特例を利用すると、その土地の評価額をもっと下げられます。

このように、ローンを利用して購入・建設した建物を賃貸経営するか否かで、相続税に対する節税効果は大きく違ってきます。

更地を相続した場合

遺産として更地を相続した場合には、アパートやマンションを建設すると、借地権や借家権が生じ、所有者が自由に土地を処分しにくくなるため、相続税評価額が下がるしくみとなっています。

アパートやマンションなどの賃貸住宅は、建築費の約40%に評価され、敷地の評価額は更地と比較して約20%下がります。

更地を相続した場合は、アパートやマンションを建てると、相続税評価額が下がり、課税額を軽くできるメリットがありますので、これを機会にアパート経営・マンション経営を考えてみるのも良いでしょう。

もし相続した更地に建物を建てずにそのままにしていたら、「評価額」がそのまま「課税標準額」になり、相続人は高い税金を支払うことになります。
国や自治体は土地をそのままにせず、住宅などに利用するように誘導しているため、このような税制になっているのです。

生前贈与を利用

2015年以降、相続税は増税となりますが、贈与税は減税されることになっていることにも注目してみましょう。

アパートやマンションなどの資産は、生前贈与という形で相続を行うことができます。

この場合、相続時精算課税制度というものが適用されます。

受贈者の範囲には、20歳以上の孫(現行推定相続人のみ。子が既に亡くなっていて推定相続人になっている孫を含む)が加えられ、贈与者の年齢要件は65歳以上から60歳以上に引き下げられることとなりました。

相続時精算課税制度とは、贈与者から贈与を受けた財産について、2,500万円までは非課税、越える部分については20%の税率で課税されるしくみとなっており、その贈与者が亡くなった場合には、その贈与された財産の贈与時の価格と相続財産の価格を合算して、相続税として精算する、という制度です。

生前贈与という形で所有するアパートやマンションを推定相続人に贈与すれば、後に土地や物件の評価額が上がっても相続時には影響しないということになります。

デフレ時代には資産の価値が上昇することは考えにくいことでしたが、現在は不動産の資産価値も上昇の気配を見せています。

そこで現在「相続時精算課税制度」を利用した生前贈与が、相続税対策として有効であると考えられているのです。

ここで、その他の生前贈与の方法などについて説明していきましょう。

・贈与税基礎控除
贈与を受ける人一人に対して年110万円までの生前贈与であれば、贈与税がかかりません。 この場合の贈与税の計算式は以下のようになります。

課税価格=贈与を受けた財産-基礎控除110万円

・住宅資金贈与非課税制度
住宅を取得しようとする人が、父母・祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合、居住する家の新築・取得・増改築などのために用いられ、自分が居住した場合に利用できます。
この制度では、最高1,000万円の非課税枠を利用することができます。

・教育資金贈与信託
孫に対する生前贈与で、孫一人当たり1,500万円まで非課税となります。

・おしどり贈与
婚姻期間が20年以上となる夫婦の場合に適用できる制度で、配偶者名義の国内にある自宅などを贈与した際に2,000万円まで控除されます。

不動産を利用した相続税対策についての注意点

これまでに述べたように、アパート経営・マンション経営など不動産投資による相続税対策には大きな節税効果が期待できる反面、投資額も大きいためリスクを伴います。

節税だけにとらわれず、将来的にどのようなライフスタイルを描いているのかによっても対策は変わってきますので、事前に以下の各観点で十分に検討するが必要です。

・現金化
なんらかの事情で現金が必要になった場合、不動産の売却相手が見つからない限り現金化ができません。

・ローン負担
ローンを組むことにより節税は可能ですが、ローンには利息が発生します。
また、将来的にローン返済が経済的負担になる可能性があることも、十分覚悟して資金計画を立てましょう。

相続税対策として不動産経営を検討する前にはプロに相談を

もし、土地を更地で相続してしまうと、高い相続税を支払わなければいけません。 しかし、その土地でアパート経営・マンション経営を始めた場合は土地の評価額が下がり、固定資産税が軽減されるので、相続税という観点から見て大きな節税効果が得られます。 また、物件購入のために組んだローンにも、節税効果が期待できるでしょう。

このように、相続税の対策として不動産投資や、住宅購入などに活用できる生前贈与の利用が有効です。

ですが不動産投資に関して、投資額が大きく相応のリスクを伴います。
そのため、まず不動産投資を行う際には、将来的なライフスタイルの変化、家族構成の変化、収入や支出の変化など、あらゆる面を考慮しましょう。

その上で不動産投資のメリット・デメリットをよく理解し、不動産会社や管理会社など不動産のプロに相談することをおすすめします。

※写真はイメージです
※本記事は、2018年9月以前時点の情報をもとに執筆しています。 マーケットの変化や、法律・制度の変更により状況が異なる場合があります
※記事中では一般的な事例や試算を取り上げています。個別の案件については、お気軽にお問い合わせください。

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

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会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
0120-800-312

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