マイホームの建築を検討した際に、家賃収入でローン返済や収入確保を目的として賃貸併用住宅を建築しようと考える方もいるのではないでしょうか。ここでは、サラリーマンが賃貸併用住宅を経営する際、多くの人が利用する住宅ローンについてのポイントやメリット、建築後の管理について説明します。
賃貸併用住宅は住宅ローンが使える?
賃貸併用住宅は、自宅スペースと独立した賃貸スペースを併設する必要があります。単純に面積が増えることによる建築費の増加に加えて、台所や風呂、トイレなど生活に必要な設備も部屋の数だけ設置しなくてはならないことからも、一般的なマイホームを建てるのと比べて建築コストは高くなる傾向があります。
しかし、賃貸併用住宅は自宅部分の面積が総面積の51%を超えていると、住宅ローンが利用できる可能性があります。サラリーマンの住宅ローン融資限度額は、保有する不動産の価値、勤務先、勤続年数、年収、他の借入金、担保余力、自己資金、家族構成などを総合的に審査し判断されます。サラリーマンは安定的な給与収入があることから、ある程度の年収があれば支払い能力があると見なされ、住宅ローン審査が有利になる可能性が高いと言えるでしょう。
なお、住宅ローンが利用できない場合は、通常の不動産経営と同様の事業用途のアパートローンを組むことになります。この場合は、事業計画が重視され、収益性・資産価値・借主の属性等、より厳しい基準でローン審査を行い、ローン金利も住宅ローンと比較して高い傾向にあります。
住宅ローンを利用した場合のメリット
住宅ローンを借り入れする際、変動金利より固定金利を選ぶことで将来の金利上昇リスクに備えることができます。
2017 年3月現在は、日銀が導入したマイナス金利の影響で住宅ローン金利は低い傾向にありますが、経済情勢によって金利は変動するため定期的な見直しと、必要に応じた事業計画の見直し、借換えなど返済計画の変更が必要となる場合があります。そのためにも、中長期的に余裕を持ったキャッシュフローを実行できる、柔軟な経営判断がより求められます。
また、メガバンク、地方銀行といった金融機関によって金利の違いもあり、審査基準も違うため複数行で比較することで、自分にあったプランを選ぶことが大切です。
住宅ローンは基本的に住居を買うために組むものであって、事業性要素が強い不動産投資用アパートローンとは目的が異なることから、審査が通りやすい傾向にあります。反面、住宅ローンを利用して賃貸併用住宅を経営する場合は、自宅部分の割合が多くなることから、得られる家賃収入に限りがあり利回りは低くなります。従って、高い利回りを求めたい場合は、目標とする賃貸収入とそのために必要となる賃貸戸数と個々の賃貸家賃のバランスをしっかりシミュレーションし、無理のないローン返済計画を策定することです。
その上で住宅ローンを利用するメリットとデメリットを併せて検討し、賃貸併用住宅の規模によってはアパートローンとの比較も大切です。
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老後の年金収入に上乗せの収入になる
マイホームを購入された方は、何十年もかけてその支払いを続けていきますが、定年後にもローンの支払いが残っているというケースが大変多く聞かれます。
日本の定年は65歳にまで延長されましたが、60歳以降に収入が下がるケースも多いため、ローンを支払いながら生活を続けることが難しくなる可能性が高いです。
年金の受給額も年々減額されており、今後定年後に年金が支給されたとしても、それが生活するだけに十分な金額かも期待はできないのです。
家賃収入がある賃貸併用住宅では定年後にもその収入が得られますので、年金の不足分を補うことが可能になります。
管理業務はどこまで自分でやるのか
賃貸運営する戸数にもよりますが、サラリーマンが本業の傍らですべての管理業務を行うのは時間的にも厳しい面が多く、専門的な知識を求められるケースなどでも難しい場面が想定されます。
不動産管理会社に一括管理をしてもらう方法もありますが、部分管理でできるところはオーナー様自身で管理する方法もあるため、収支のバランスを把握した上で、管理業務の委託を検討しましょう。
また、空室対策や入居者様の家賃滞納、火事や自然災害などのリスクに備えて、不動産管理会社との家賃保証契約や一括借上げ契約の検討、火災保険・地震保険・施設賠償責任保険などの加入をしっかり検討しましょう。
サラリーマンは本業があるため、賃貸併用住宅の経営に時間的な制限が出てしまうのは仕方のないことです。そのためにも、賃貸併用住宅の運用には、オーナー様のライフプランに合った無理のない運営・管理体制を設ける必要があります。また、賃貸併用住宅事業を失敗させないためにも、パートナーとなる不動産管理会社選びを慎重に行いましょう。
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