相続税対策に有効な土地活用方法5選!相続税の基本もわかりやすく解説

多くの資産や土地を保有している方ほど、ご自身が亡くなったあとに残されたご家族が負担する相続税について、金額面などの心配が尽きないことでしょう。あらかじめ相続税対策を行なう場合に、有効な方法の一つとして挙げられるのが土地活用です。

この記事では、相続税の基礎知識を確認しながら、相続税対策に有効とされる土地活用方法を具体的にご紹介します。

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初心者が知っておきたい相続税の計算方法

土地活用を利用した相続税対策をご紹介する前に、相続税などの税金関連にあまり詳しくない方に向けて、相続税の情報と計算方法を解説開設します。

相続税とは、相続人が相続によって取得した財産に課される税金で、土地・建物などの不動産だけでなく有価証券や預貯金などを含む、すべての財産に課されるものです。

相続税の算出は、以下のような順序で行なわれます。

1.相続財産の評価

相続税を算出する際にまず行なうのが、相続財産の評価です。

預貯金や上場株式は、残高や利子、終値から評価額が決定されます。
は相続開始日の預入残高と利子額から評価され、上場株式は相続開始日の終値か、相続開始月(もしくは前月、前々月)の終値の月平均額のうち、最も低い価額で評価されます。

不動産のうち、土地の評価は路線価方式か倍率方式で算出されます。路線価とは、国税庁によって定められている路線(道路)に面した、1平方メートルあたりの金額のことです。

路線価が定められている地域では「路線価図」から調べた路線価に宅地の面積をかけて計算し、評価額が決まります。

路線価が定められていない地域では、「評価倍率表」に基づいた一定の倍率を、その土地の固定資産税評価額にかけて算出します。

建物は、固定資産税評価額により評価されますが、居住用・事業用の用途に応じて減額される「小規模宅地等の特例」という制度もあるので、こういった制度を活用しましょう。

以上のように、相続財産をそれぞれ評価し、算出された合計額が相続財産の評価額となります。

2.債務控除を行なう

債務と葬儀葬式費用の一部については、相続財産の評価額から控除が可能です。債務には、借入金や未払い金のほか、被相続人の未納の税金も含まれます。

葬儀葬式費用に関しては、相続人が支払った費用のうち、お寺や葬儀社に払った費用、通夜の費用などが控除対象です。ただし、墓地や墓碑費用など、控除対象外の費用もあることを把握しておきましょう。

相続財産の評価額から、債務などの控除額を差し引いた額が、相続税を算出する相続財産額になります。

3.基礎控除額を引く

相続税には基礎控除があり、相続額が基礎控除額を越えなければ、相続税は発生しません。

なお、基礎控除額は、以下のように算出します。

遺産に係る基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

例えば、夫が亡くなり、法定相続人が配偶者(妻)と子供A・子供Bの合計3人だった場合は、以下のように計算します。

3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

この例の場合は相続財産額が4,800万円以下であれば、相続税は課せられません。

4.法定相続分ごとに税率をかける

課税遺産総額(基礎控除額を超えて課税対象になる金額)は法定相続人分で按分し、相続人ごとに算出した相続税額の合計が、相続全体での税額となります。先ほどの例で試算してみましょう。

【例】
相続額が31億円、相続人が配偶者と子供A・子供Bの3名で、基礎控除4,800万円となり、課税遺産総額が31億円-4,800万円=2億5,200万円5,200万円となる場合の相続税額を、法定相続分の割合から算出します。

・配偶者(1/2)1億2,6002,600万円→税率4015%、相続税控除1,70050万円(※)で税額3,340340万円

・子供A(1/4)6,3001,300万円→税率3015%、相続税控除70050万円で税額1,190145万円
・子供B(1/4)6,3001,300万円→税率3015%、相続税控除70050万円で税額1,190145万円
※税率、控除額は課税遺産額により異なります
※配偶者控除などはの特別控除は考慮しない場合になります。

このケースでは場合、相続税合計額は3人分を合わせて5,720630万円となりますです。
ただし、最終的に支払う相続税の金額はこのとおりではありません。

5.実際に支払う相続税額

最終的な相続税額は、いったん算出した相続税合計額を、実際の相続割合で再度按分して算出します。

例えば、先ほど挙げた例をもとにして、相続額31億円を配偶者1億6,0008,000万円(約5480%)、子供2人に7,0001,000万円(約2310%)ずつで相続を行なったとしましょう。

配偶者には税額軽減の特例という措置があり、課税価格が1億6,000万円までか、法定相続分相当額までは非課税です。この制度を活用したとして算出すると、以下のようになります。

・配偶者(1億6,0008,000万円/31億円)→5,720630万円×0.548=3088.8504万円→配偶者の税額軽減で相続税0円
・子供A(7,0001,000万円/31億円)→5,720630万円×0.231=1315.663万円→納付する相続税は1315.663万円
・子供B(7,0001,000万円/31億円)→5,720630万円×0.231=1315.663万円→納付する相続税は1315.663万円
※その他の特例は考慮しないとする

このように、相続税の税額確定までには、さまざまな計算式や控除が発生します。できるだけ課税遺産総額を少なくしておくと、相続税の軽減につながることを知っておきましょう。

【具体例】土地活用すると相続税評価額はどれくらい減る?

土地は更地のまま相続すると、路線価に従った評価額が算出され、土地に対する相続税の優遇措置はありません。

例えば、何も対策をせずに3億円の土地を相続した場合、相続税を払うために、土地を手放さなければならない可能性もあります。

しかし、土地活用によって土地・建物の評価額を下げることは可能です。相続税は評価額をもとに計算するため、評価額が下がれば相続税の軽減につながります。

土地活用をすると、評価額はどの程度抑えられるでしょうか?実際の評価額を抑える効果は、ケースごとに異なりますので、参考としてご覧ください。

現金を使って建物を建てる→約40%減

例えば、現金を預貯金として3億円保有していた場合、相続税の評価額としてそのまま3億円が計上されてしまいます。

しかし、3億円を使って建物を建てた場合、実際には3億円の建物であっても建物評価額を1.8億円程度(3億円の60%)に下げることが可能です。税法上、建物の評価額は固定資産税評価額に由来しますが、新築の場合は工事金額の60%程度の評価となっています。

つまり、現金を預貯金として保有していた場合と比較すると、相続税評価額は1.2億円(3億円-1.8億円)が引き下げられる計算です。

建物を貸し出す→約30%減

建物の評価額のもとになる固定資産税評価額から、借家権割合として30%が控除されるため、建物を貸家にすると、さらに評価額を下げられるでしょう。

例えば、前述の評価額1.8億円の建物を賃貸マンションなどにした場合、最大で評価額を1.26億円(1.8億円の70%)まで下げることが可能です。

当初の預貯金3億円から考えると、評価額を半分以下に圧縮することができます。

貸家が建っている土地は貸家建付地になる→約20%減

所有する土地に貸家を建築した場合、土地にも税金面でメリットがあります。

貸家が建っている土地は「貸家建付地」という扱いになり、評価額を約20%引き下げることが可能です。例えば、3億円の土地であれば、貸家建付地にすることで評価額を2.4億円程度に下げられます。

「小規模宅地等の特例」も減額率が大きい

土地の評価額を下げるには、減額率の大きい「小規模宅地等の特例」という制度も知っておくとよいでしょう。

小規模宅地等の特例とは、被相続人(亡くなった方)が居住用・事業用に使っていた土地の評価を、50%から最大80%まで減額できる制度です。例えば、被相続人などが居住していた330平方メートルまでの宅地は、減額割合が80%となります。

ただし、この制度を適用できる土地は1ヵ所だけです。該当する土地を複数持っていた場合は、どの土地に制度を適用させるかを慎重に判断しましょう。適用面積などの細かい規定があるため、詳細はご確認ください。

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相続税対策に有効な土地活用方法5選

ここからは、相続税対策に有効な土地活用の方法を、アパート・マンション経営、テナントビル、現金化する、土地を貸す、等価交換の順に5つ、具体的にご紹介します。

アパート・マンション経営

土地に建物を建てて相続税評価額を下げる方法は、相続税対策の基本といえるでしょう。

アパートやマンションを建てると建物の評価を下げることができ、その建物を貸し出すことで借家権割合が適用され、さらに評価額が下がります。土地の評価も貸家建付地になることで下がり、小規模宅地等の特例を使うとさらに評価の大幅な引き下げが可能です。

アパート・マンション経営は、相続税・固定資産税などの節税効果が高いだけではなく、長期的に収入を確保しやすいというメリットもあります。

ただし、アパート・マンション経営には空室リスクもあり、建物の継続的なメンテナンスなども必要なことから、事業としてしっかりと事前計画を立てなければなりません。

また、相続時に小規模宅地等の特例を使いたい場合は「特定事業用宅地等の条件」として、相続人が保有して事業を引き継ぐ必要があります。相続人が複数いる場合は、遺産分割がしにくいということも知っておきましょう。

なお、建物を建てた時点で、相続税の減税効果は最大です。これは貸家事業を開始すると、新たに家賃収入が発生するためで、収入が増加した分の相続税対策は別に考えておいてください。

例えば、相続税対策として家賃収入分を贈与税の非課税枠を使って家族に贈与し、ご自身の預貯金がどんどん増えるのを防止する方法などもあります。

この相続税対策の場合、生前贈与に関して将来的に見直される恐れがあることも念頭におくほうがよいでしょう。

テナントビル

オフィスビルなどのテナントビルも、建物や建物内の部屋を第三者に貸し出すため、貸家建付地が適用されます。さらに、土地面積が200平方メートルまでであれば、小規模宅地等の特例も使えるため、評価額が50%減額される可能性があります。

テナント入居が見込める土地であれば、長期的に安定した収入を期待できるでしょう。

ただし、大規模なビルになると建築費が高額になり、セキュリティや管理体制を整えるためのコストもかかります。

現金化する

複数の土地をお持ちの場合、一部を売却して現金化しておくことも、実は相続税対策になります。

相続税を納めるには現金が必要なことから、お持ちの土地をすべて土地活用してしまうと、納税時に相続人が困る場合があります。また、現金化することで遺産分割がしやすくなり、遺産を巡るトラブルなどを未然に防ぐ効果が期待できるでしょう。

なお、土地を売却するタイミングを被相続人の生前ではなく、相続発生後にする方法もあります。土地の売却が、相続税申告期限から3年(相続発生日から3年10ヵ月)以内であれば、「取得費加算の特例」という制度が利用可能です。

これは土地にかかった相続税を、譲渡所得税を計算する際に、取得費として譲渡所得(売却益)から差し引くことができる制度です。

土地を貸す

土地を貸地にすると、土地の評価額を借地権割合の価格を控除した額に下げられます。

「借地権」とは、その土地で貸地にしている部分の権利を指し、土地を持つ「所有権」に対する権利です。土地に対する貸地部分の割合を「借地権割合」と呼び、国税庁が地域ごとに設定しています。土地の評価額から、借地権割合の価格を控除することができます。

例えば、3億円の土地で借地権割合が70%に設定されている場合は、評価額が30%分の9,000万円に下がります。

土地を貸すうえで、評価額を下げる以外のメリットとしては、定期的に「地代」や「更新料」を得られる点が挙げられます。安定している事業者などに貸し出して賃料を得られれば、初期投資なしで長期間収入が得られるでしょう。

また、その土地に店舗や住宅などの建物があれば、固定資産税額が1/6に減額にされるメリットもあります(敷地面積が200平方メートル以内の場合)。

ただし、定期借地権が設定される場合は、土地所有者であっても、長期間にわたり土地利用が制限されることを知っておきましょう。

等価交換

等価交換とは、土地所有者と土地開発業者が、共同で賃貸マンションやテナントビルを建設する事業方式のことです。

土地所有者が無償提供した土地の上に業者がマンションなどを建設し、その後、提供した土地と建物価値が等しくなるように土地と建物の所有権を一部交換して、区分所有する方法です。

土地を提供することでローンなどの自己負担なく、建物の所有権を得られるのがメリットとなっています。

さらに建物を賃貸物件にすることで「貸家建付地」の扱いになり、土地・建物の評価額を下げることができて、大幅な相続税対策になります。

相続税対策として土地を有効活用するなら専門家に相談

相続税の計算や相続税対策は複雑で、素人判断で進めるには難しいものがあります。まずは税理士など法律の専門家に、相続についての相談をおすすめします。

その結果、相続税対策として土地活用を検討する場合は、土地活用の専門業者にぜひご相談ください。

生和コーポレーションは創業以来51年、累計100,000戸を超える実績を誇る、土地活用に特化した企業です。相続税対策としての土地活用にも、さまざまなご提案が可能となっています。

相続税対策としての土地活用には、立地や周辺環境などの十分なリサーチ、土地活用のノウハウが求められます。

特に、賃貸経営を検討されている場合は、建物のメンテナンス・入居者募集・トラブル対応・事業の法人化など、多くの検討事項があります。

相続税対策として土地活用をする際は、経験豊かなプロの力を借りることが成功への近道といえるでしょう。

まとめ

多くのオーナー様が悩まれる相続税対策において、土地活用は有効な手段の一つとされています。土地活用と一口にいっても、その方法はさまざまあり、所有されている土地によってどの方法が適しているのかは異なります。

まずは、この記事でご紹介した、アパート・マンション経営、テナントビル、現金化する、土地を貸す、等価交換の5つの特徴を知り、ご自身の土地に取り入れられそうなものを絞り込んでみてはいかがでしょうか。

もし、土地活用の方法について迷われているなら、ぜひ生和コーポレーションにご相談ください。

生和コーポレーションは創業以来51年、土地活用一筋に取り組んでいます。多様な土地活用の実績がありますので、相続税対策として土地活用をお考えの方は、ぜひ生和コーポレーションへお気軽にお問い合わせください。