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2026.02.03
土地活用の基本知識

相続した土地の売却にかかる税金の種類と計算方法|節税方法と特例も解説

相続した土地を売却する際にかかる税金として、「登録免許税」「印紙税」「譲渡所得にかかる所得税」「復興特別所得税」「住民税」が挙げられます。

相続した土地の売却行為は大きな金額の取引となるため、特例や節税の知識がないまま売却〜納税すると数百万円単位で損をしかねません。

本記事では、相続した土地の売却にかかる税金の種類と計算方法、そして節税対策の方法について、半世紀以上の土地活用実績を持つ生和コーポレーションが解説させていただきます。

この記事の目次

  • 1 相続した土地の売却時にかかる税金の種類
  • 2 譲渡所得税の計算方法と税率
  • 3 相続した土地を売却する際の確定申告と共有名義
  • 4 節税対策|相続した土地を売却する際の特別控除
  • 5 その他の活用できる節税対策
  • 6 相続した土地は売却すべきか?土地活用で収益化すべきか?

相続した土地の売却時にかかる税金の種類

相続した土地を売却すると「登録免許税」「印紙税」「譲渡所得にかかる所得税」「復興特別所得税」「住民税」がかかります。

まずは、それぞれの税金の内容と計算方法について簡潔に解説していきます。

登録免許税

土地を売却する際の大前提として、名義変更(相続登記)が必要となります。亡くなった方(被相続人)から相続人へ名義変更する際に課される税金が登録免許税です。

相続による名義変更の登録免許税の計算式は、

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%

となります。0.4%は、相続・合併による所有権移転登記の税率です。

2024年4月から相続登記が義務化されたため、売却する予定がなくても相続から3年以内に名義変更しないと過料(罰則)の対象となります。売却時には現在の所有者を証明しなければならないため、登録免許税は支払うのが必須の税金といえます。

印紙税

不動産の売買契約書を作成する際に、課税文書として印紙を貼付する必要があるため、印紙税がかかります。印紙税の金額は土地の売却価格(契約金額)に応じて変わります。

売買契約書に記載する金額と印紙税と軽減税率の関係は、次の表の通りです。

契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率
1万円未満 200円 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円
金額の記載なし 200円 200円

2026年現在においても、不動産譲渡に関する契約書の印紙税には軽減税率が適用されます。例えば、契約金額が5,000万円超1億円以下の場合、通常は6万円となりますが、現在は3万円に軽減されます。

なお、電子契約を利用した場合、印紙税は非課税となります。最近の不動産取引ではコスト削減のために電子契約を選ぶケースが増えています。

譲渡所得税

土地を売って得た利益に対してかかる税金が譲渡所得税です。他の所得(給与や事業所得など)とは合算せず、単独で税額を計算する「分離課税」方式が採用されています。

あくまで「利益」にかかるため、売却価格が購入価格を下回る(譲渡損失が出る)場合は発生しません。

計算方法は後述します。

住民税

譲渡所得税と同様に売却した利益に対して課されるのが住民税です。譲渡所得税は売却した翌年の確定申告時に支払いますが、住民税はその後(6月以降)に分割、または一括で納付します。

土地の売却代金を使い切ってしまうと、翌年の住民税の支払いに困ってしまうこともあるため、キャッシュが少ない場合、納税分を考慮して手元に残しておく必要があります。

復興特別所得税

東日本大震災の復興財源として、2037年まで継続して課される税金のことです。

実務上は所得税の税率に含まれる形で合算されます。

復興特別所得税の計算式は、

復興特別所得税 = 所得税額 × 2.1%

となります。

譲渡所得税の計算方法と税率

譲渡所得税の計算式は、

譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率

となります。そのため、まずは「譲渡所得」を算出しなければいけません。

譲渡所得の計算方法(土地の場合)は、

土地の譲渡所得 = 譲渡価額(売却額)- 取得費(購入額)- 譲渡費用

となります。譲渡費用とは、売却にかかった費用で、仲介手数料・印紙税・測量費などのことです。

※建物の譲渡所得は、取得費が減価償却費を控除した額になるため、計算式は、譲渡価額 - 取得費(購入額から減価償却費を控除した額)- 譲渡費用 = 建物の譲渡所得 となります。

譲渡所得税は利益に対してかかる税金ですので、譲渡所得を算出した結果、マイナスや0円になった場合は、利益が発生していないため、税金を支払う必要はありません。

譲渡所得が算出できたら、これに「税率」を掛けると譲渡所得税を計算できます。税率は、土地をいつから持っていたか「所有期間」によって変わってきます。所有期間が長いほど税率は低くなり、所有期間は、売却した年の1月1日時点で判断します。

売却した年の1月1日時点で、所有期間5年超の場合は「長期譲渡所得」、所有期間5年以下のときは「短期譲渡所得」となります。

長期譲渡所得の税率と短期譲渡所得の税率は、次の表の通りです。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

土地を相続した場合は、被相続人(親など)が購入した日から所有期間を引き継ぐことができるという大きなメリットがあります。そのため被相続人が5年を超える期間所有している不動産の場合、相続後にすぐに売却しても長期譲渡所得の税率が適用されます。

下記のように、長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって税率は大きく変わってきます。

・長期譲渡所得:税率20.315%(所得税15%+住民税5%+復興0.315%)
・短期譲渡所得:税率39.63%(所得税30%+住民税9%+復興0.63%)

取得費が不明の土地を売却する場合の税率

取得費が不明な土地を相続して売却する際には特に注意が必要です。例えば、昔から親が所有していた土地を相続すると、そもそも親が土地を購入した際の価格がわからず、取得費が不明になる事例は少なくありません。

その場合は、概算取得費として「売却価格の5%」を取得費として適用することになります。しかしこの場合、大きな損をする可能性があるため注意が必要です。

例えば、譲渡価額3,000万円、譲渡費用150万円、所有期間5年超(長期譲渡所得)の土地で、取得費が不明だった場合を計算すると、

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
= 3,000万円 - 3,000万円×5% - 150万円
= 2,700万円
所得税 = 譲渡所得 × 税率
= 2,700万円 × 15%
= 405万円

となり、長期譲渡でも405万円の税金がかかります(復興特別所得税と住民税を除く)。

しかし、本当は取得費が500万円だった場合、

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
= 3,000万円 - 500万円 - 150万円
= 2,350万円

所得税 = 譲渡所得 × 税率
= 2,350万円 × 15%
= 352.5万円

となります。このように50万円近い節税になりますので、可能な限り実際の取得費を確かめることをおすすめします。当時の通帳や住宅ローンの記録、不動産会社の価格表、固定資産税の精算書など、あらゆる証拠を探し出すことで、概算取得費の5%ルールを回避すれば、納税額を下げられる可能性があります。

契約書がない場合でも、専門の税理士や不動産鑑定士と協力し、当時の基準地価や新聞の相場データから合理的な購入価格を推計し、税務署と交渉する手法もあります。

相続した土地を売却する際の確定申告と共有名義

相続した土地を売却して利益が生じた場合や、節税の特例を使う場合は、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う必要があります。

利益がなければ申告義務はありません。しかし、譲渡所得がマイナスの場合でも、節税のために特例を利用する際(特定居住用財産の買い換えなど)には、他の所得と損益通算して給与から天引きされた税金を取り戻せる「譲渡損失の損益通算及び繰越控除」が使えるため、確定申告を検討しましょう。

申告期間については、年度により変更の可能性もありますのでご注意ください。

確定申告で必要な書類は、売買契約書・仲介手数料の領収書・土地購入時の資料・特例適用のための戸籍謄本などです。

また、相続した土地を売却する際には、全ての相続人が税金を支払う必要があります。土地売却に際して課される遺産分割で土地を「共有名義」にした場合、売却で得た利益も持分に応じて分配され、各相続人が各自の確定申告で税金を納めなくてはいけません。

一人が代表者として土地を売却し、あとで別の相続人に現金を分配する場合も、税務上は全員が売却したとみなされます。代表者一人が全額を所得として申告してしまうと、贈与税が発生することもあるため、事前に遺産分割協議書で換価分割であることを明記しておく必要があります。

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節税対策|相続した土地を売却する際の特別控除

国は土地の売却にかかる税金について、特定条件のもとで大幅な控除を認めています。

「取得費加算特例」や「空き家特例」など、知識があれば十分に節税が可能ですので、ぜひ把握しておきましょう。

取得費加算の特例

相続税の申告期限から3年以内(相続開始から3年10ヶ月以内)に土地を売却した場合、「取得費加算の特例」を適用することが可能です。これにより支払った相続税のうち、その土地にかかった分を「取得費」に加えることができ、譲渡所得(利益)を減額することができます。

「取得費加算の特例」は、相続税を支払い、さらにその上、売却時に所得税を支払うのは「二重課税」になってしまうのではないか、という配慮に基づいた制度です。

以下の要件を満たせば、取得費加算の特例を利用可能です。

  • 相続・遺贈によって財産を取得した。
  • 財産を取得し相続税が課税されている。
  • 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却である。

つまり、相続税の納税義務がない場合は特例は利用できないということになります。

適用期間にあたる「相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却」という制限ですが、相続税の申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」なので、「相続開始のあった日の翌日から3年10ヶ月以内」というのが、取得費加算の特例を適用できる期間になります。

取得費加算の特例を適用する場合の、譲渡所得の計算式は、

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 取得費に加算する相続税額 - 譲渡費用

となります。

「取得費に加算する相続税額」の計算式は、

取得費に加算する相続税額 = 相続税の課税価格の計算の基礎とされた譲渡財産価額 ÷(相続税の課税価格 + 債務控除額)

となります。

相続空き家を取り壊した場合の3000万円の特別控除

相続した「空き家」を売るか、解体して更地にしてから売る場合、譲渡所得から最大3,000万円の特別控除を受けることが可能です。これは「相続空き家の特別控除の特例」として知られている制度です。

平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却し、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できます。

この相続空き家の特例を適用するには、次の条件を満たす必要があります。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 相続開始の直前に被相続人(親など)の居住用家屋であったこと
  • マンションなど区分所有建築物ではない家屋であること
  • 相続開始直前に被相続人以外に居住者がいなかったこと
  • 相続から譲渡するまでの間に事業用・貸付用・居住用に供されていないこと

家屋を解体して更地の土地として売却する場合は、さらに条件が加わり、取り壊した家屋について、相続時から取り壊した時まで「事業用・貸付用・居住用」に供されていないこと、また、土地についても相続時から譲渡時まで「事業用・貸付用・居住用」に供されていないことが適用条件となります。

例えば、家屋を解体した後、駐車場として事業経営していた場合は、この空き家特例は適用できません。

相続空き家の特別控除の適用要件は厳しく、その他にも、売却価格が1億円を超えると使えないなどの制限もあります。

相続空き家の特例を適用した場合の、譲渡所得の計算式は、

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

となります。

詳細は、国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」をご参考ください。

その他の活用できる節税対策

相続した土地を売却した場合の節税対策には、「平成21年および22年に取得した土地の1,000万円特別控除」「低未利用土地等の100万円特別控除」などが存在します。

平成21年および平成22年に取得した土地の1,000万円特別控除

これはリーマンショック後の土地取引活性化のために導入された制度です。親が2009年か2010年に購入した土地を相続して売る場合、1,000万円の控除を受けられます。

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に個人が取得した土地について、所有期間が5年を超えた場合(その年の1月1日時点)に譲渡すると適用可能です。

計算式は、

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 1,000万円

となります。

低未利用土地等の100万円特別控除

地方の空き地や低利用の土地(売却額500万円以下、一定の地域では800万円以下)を売る際に100万円控除できます。これは放置された土地の流動化を目的とした制度です。

低未利用土地等の100万円特別控除の適用条件として、次の内容を満たす必要があります。

  • 土地の譲渡者が個人
  • 土地を譲渡した年の1月1日に所有期間が5年超
  • 譲渡価額が合計500万円以内
  • 譲渡した土地が都市計画区域内にある
  • 譲渡した土地が「低未利用土地等」で「譲渡後の土地等の利用」について市区町村長の確認がなされた

低未利用土地等の100万円特別控除を適用する際の計算式は、

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 100万円

となります。

ふるさと納税

土地を売却した年は所得が跳ね上がり、ふるさと納税の寄付限度額も上がります。翌年の高額な住民税を実質的に「寄付」に充て、返礼品を受け取ることが可能です。

納税額自体は変わりませんが、ふるさと納税を活用すると、実質的なメリットは大きいので活用を検討しましょう。

取得費と譲渡費用の計上

取得費については、土地そのものの購入額に加えて、次のものを漏れなく計上することで節税につなげることが可能です。

  • 相続時の不動産登記費
  • 取得時の登録免許税
  • 司法書士の手数料
  • 取得時の仲介手数料
  • 取得時の売買契約書の印紙代
  • 取得時の不動産取得税 など

その他にも、立退料・移転料・測量費・建物の解体費・整地や埋立て、擁壁の設置にかかった費用など、漏れなく取得費に加えることで節税対策が可能になります。

また、譲渡費用についても同様に、漏れなく計上することで節税に繋がります。譲渡費用として計上できるのは次のように多岐にわたります。

  • 仲介手数料
  • 測量費(境界確定)
  • 建物解体費
  • 売買契約書の印紙代
  • 立退料(借地人がいた場合)
  • 売却広告費
  • 契約解除の違約金
  • 買主との交渉に使った交通費 など

しかし「抵当権の抹消費」「引越代」「遺産分割のために使った費用」は、譲渡費用にならないなど、詳細については専門知識が必要となりますので、土地活用の専門家や税務署に確認することをおすすめいたします。

相続した土地は売却すべきか?土地活用で収益化すべきか?

相続した土地を売却すれば一時的にまとまった現金を手に入れることが可能です。しかし、先祖代々受け継いできた土地を手放したことに後悔したり、また相続税や譲渡所得税などの税金が想像以上に高額となり、手元に残る金額が意外と少ないと感じたりする方もいらっしゃいます。

その際に検討したいのが「土地活用」による収益化です。例えば、賃貸マンションや賃貸アパートを建築して運営すれば、相続税評価額を最大80%減額しつつ、次世代に資産を継承し、さらに安定した家賃収入を手に入れることも見込めます。

相続した土地を売却するか、土地活用するかについては、それぞれにメリットとデメリットがあります。半世紀以上にわたって土地活用をサポートしてきた生和コーポレーションでは、実際に土地を相続したオーナー様のご要望に応じて、売却した場合の実際の手残り額を算出させていただき、さらに土地活用した場合の生涯収益のシミュレーションとも比較した上で、オーナー様のご要望に適したプランを提案させていただいております。

無料相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。実例を紹介したオリジナル資料も無償プレゼントしています。

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記事監修者プロフィール

生和コーポレーション株式会社
統括本部
宮本勇輝
営業部に所属し、不動産オーナー様への土地活用の企画提案営業を経験し、土地活用・賃貸経営に関する豊富な知識を有している。
現在は営業部やマーケティング部のイベント立案、統括業務に従事している。
【保有資格】宅地建物取引士

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

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会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
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