賃貸併用住宅を持つことで、安定した収入が得られるのは非常にありがたいことなのですが、その運用上でトラブルも起こるケースも少なくありません。
賃貸併用住宅の建設、もしくはリフォームを検討していらっしゃるなら、起こりがちなトラブルについて理解を深めておきましょう。
賃貸併用住宅の家賃をめぐるトラブル
入居者は毎月不動産屋さんを通じてか大家さんに直接家賃を支払いますが、中にはそれを滞納してしまう入居者さんもいらっしゃいます。
オーナーさんとしても入居者とのトラブルはできる限り避けたいと考えますので、あまり強く催促するのが難しい状況だと思います。
おまけに賃貸併用住宅の場合は、自宅と同じ建物の中で入居者が生活をしている状況ですから、余計に厳しく家賃催促が行いづらいのです。
収入が減る可能性
賃貸併用住宅を建てるときは、一定の家賃収入が見込めると期待していると思いますが、それが長い間ほぼ途切れることなく毎月入ってくる保証が残念ながらありません。
賃貸併用住宅を建設されるオーナーさんの多くが不動産会社と契約を結び、その管理や経営をお任せするケースが大半を占めるのです。
不動産会社と契約をすることで入居者から受け取れる家賃の一部を手数料として、不動産屋会社に渡さなくてはいけませんが、それよりも安定した経営が行えることが重要になるからです。
しかしながら入居者募集のためにこれから何十年先までも、今現在と同じ家賃設定で入居者が確保できるとは限らず、状況に応じて家賃が下げられる可能性が非常に高くなります。
家賃からの収入が減額してしまえば、当然オーナーさんに入ってくる額も減り、賃貸併用住宅建設当初の資金計画が大幅に狂ってしまうかもしれません。
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賃貸併用住宅のトラブルで多い騒音問題
賃貸併用住宅のトラブルで多いのが騒音問題と言われています。部屋の中を歩く音、テレビの音、水回りの音、ドアを閉める音など、生活をしている以上、必ず音が発生してしまうのはやむを得ないことです。居住者様それぞれに生活リズムがあり、騒音の感じ方にも個人差があるからです。隣接する入居者様同士はもちろんのこと、賃貸併用住宅は間取りによっては、オーナー様と入居者様の居住スペースが隣接している場合もあることから、入居者様からオーナー様にクレームが入ることも考えられます。
そもそも建築時に木造や鉄骨造ではなく、RC造にすると防音対策となります。しかし、単純にRC造にすれば解決するという問題ではありません。RC造は工法からもコストがかかり、建物規模が大きくなって戸あたりのコストが安くならないとメリットが得られないため、収支計画に応じて防音排水管や遮音マット、フロア下の遮音材や遮音フロアなどの採用を検討すると良いでしょう。
また、契約時に大音量の音楽を流さない、楽器の演奏などを制限するといったルールを明記しておくようにしましょう。なお、万一トラブルが発生してしまった場合の対処法として、当事者に直接注意することも必要になる場合もあります。
他の入居者様に対しても注意喚起するために、共有部分などの掲示板に貼り紙をすることも有効でしょう。クレームを受けた側も、自分が騒音で迷惑をかけていることを意識していない場合などがあるため、注意深く行う必要があります。また、良くある騒音トラブルとして、小さなお子さんの走りまわったりする音が下の階へ伝わるケースがあります。このケースで言えば、1階部分を自宅、2階部分を賃貸用にするなど、賃貸スペースを上階にすることで騒音による入居者様とのトラブルを回避できることもあります。
オーナー様に直接苦情を言ってくる場合もある
オーナー様と賃借者が同じ建物に住んでいることから、本来であれば不動産管理会社に依頼すべきことも直接オーナー様に言ってくる場合があります。例えば、部屋のエアコンが壊れた、トイレが詰まってしまった、共用部分の廊下の電気が切れている、ゴミ捨て場にゴミが散乱しているなど、生活している以上さまざまなトラブルが起こってしまうことは避けられません。管理を委託する場合は不動産管理会社が業務の一環として、入居者様からのさまざまなトラブルに対応しますが、たとえオーナー様が対応すべきことではなくても、入居者様のクレームを真摯に受け止め、問題解決を図ろうとする姿勢を見せることが大切です。
賃貸併用住宅を経営していく上で、100%トラブルが起きないという保証はありません。しかし、起こりうるトラブルを理解していれば、実際に起こってしまった時に冷静に対応可能でしょう。賃貸併用住宅は不動産ビジネスであり、経営者としての意識を高めることが大切であると言えるでしょう。
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