不動産の購入は金額も大きくなることから、自己資金が多い方が良いと考える人も多いでしょう。賃貸併用住宅の場合、自宅スペースと賃貸スペースが併設されていることから、賃貸スペースを貸し出すことで家賃収入を得ることができ、その収入はローンの支払いに充てることができます。ここでは、自己資金0円で賃貸併用住宅の経営を始める上で、利用できるローンや注意点について説明します。
賃貸併用住宅は住宅ローンが利用できる
賃貸併用住宅は、自宅部分の面積が総面積の51%以上を占めると、低金利の住宅ローンで資金を借り入れることができる可能性があります。マンションなどを一棟丸ごと購入する場合は、不動産事業と見なされるため、アパートローンと言われる事業用ローンを組むことになります。では、住宅ローンとアパートローンにはどのような違いがあるのでしょうか?
住宅ローンは、人が生活をする上で必要不可欠とも言える住居を購入するためのローンであり、金利も低めに設定され、ローンの審査は個人の年収や勤続年数、保険の加入の有無などを審査対象としており、安定した収入があれば比較的通りやすい傾向にあります。一方のアパートローンは、不動産の保有によって利益を得ることを前提とした事業用途のローンのため、金利は高い傾向にあります。さらにアパートローンでは、物件の担保力、事業として利益があげられるのかといった事業性やオーナーの属性(収入・勤務先・保有資産・借入履歴など)も厳しく審査されます。賃貸併用住宅は、住宅ローンを上手に活用することで、自己資金が0円でも購入・建築をできる可能性があると言えるでしょう。
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自己資金0円の場合の注意点
自己資金と頭金の考え方について混同しやすいため、おさらいしておきましょう。自己資金とは建物の購入当初に準備できる現金のことで、通常は建物の購入額の10%程度の頭金と、それ以外にかかる諸経費となります。つまり、自己資金を式で表すと「自己資金=頭金+諸費用+α」になります。諸費用とは、ローンの金利、不動産会社に支払う仲介手数料、不動産取得税、登記費用などが該当します。また、不動産購入代金の一部を手付け金として先払いする場合は頭金に含まれます。従って、自己資金が0円ということは、頭金も諸費用も0円であるということになります。
実際に自己資金が0円で賃貸併用住宅の経営を始めるためには、物件の購入費用だけでなく諸費用(登記費用・仲介手数料・不動産取得税)などに充当可能な住宅ローンを利用することで可能になります。一部の銀行では諸費用を含めたオーバーローンに対応しているプランもありますが、借入額がその分多くなるため十分な返済プランを立てた上で慎重に検討することをおすすめします。
それでは、自己資金が0円で賃貸併用住宅を始める場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。それは、直近で必要となるお金を手元に残して置くことができる点です。流動性の高い現金が手元にあることで、日々の生活においてさまざまな点で余裕がうまれるということです。一方デメリットには、借り入れる住宅ローンの金額が大きくなることから、金利や手数料の負担額が高くなる点にあります。また、月々の返済額が多くなる、返済期間が長くなることも考えられます。
どのくらいの戸数を貸し出すのか、家賃設定などによっても収支計画が異なるため、ターゲットとする入居者様のニーズを勘案し、オーナー様に合ったプランを立てることが重要であると言えるでしょう。
個人の属性や計画の内容によっては、自己資金が0円であっても、賃貸併用住宅の経営を始めることは可能です。しかし、どのくらいの金額を借り入れるのかによって、その後の返済計画に大きな影響が出てしまいます。オーナー様のライフスタイルに合った資金計画や事業計画を立てることが、賃貸経営成功させる秘訣となることでしょう。なお、オーバーローンは賃貸併用住宅を経営する上で、マイナスからのスタートとして捉え、くれぐれも慎重に判断する必要があります。
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